※DOTM終了2年後設定なので、かなりの捏造設定です。
※両軍全員生存・和解済み。
※まだ本編に出ていないキャラが出てきます。(オリキャラ含む)
※夢主が妊娠しています。(3ヶ月目くらい)

本編が"必ずこうなる"という保証はありませんので、以上のことを踏まえた上でご覧下さい。










――シカゴでの一件から約2年。

オプティマス、メガトロンの両者は長らく続いていたトランスフォーマー同士の戦争に終止符を打つために和解。

被害にあったシカゴの街は国の復興支援により、普段通りの機能を取り戻していた。





◇◆◇◆◇





某日 ワシントンD.C. ペンタゴン内某所

そこに一人の女が不機嫌そうに座っていた。

眉間に皺を寄せ、足を組みながらソファーに腰掛けるその姿は威厳に満ちており、己に近付こうとする者を拒んでいる。

2年前に肩口まで切られた黒髪は、既に元の長さに戻っていた。





「――…で、私を此処に呼び出した理由は?」

女が自分を取り囲む男達を睨み付けながらそう言えば、女の前に座する男が数枚の書類を女に手渡す。

女はその書類にざっと目を通すと、口元に妖しげな笑みを浮かべた。

「…成る程ね。
要するに、"私"はもう必要ないと?」

「…そうだ。
"お前"の役目は既に終わった」

だから表舞台から消えろ、と男が言ったと同時に、女を取り囲む男達が一斉に彼女に銃を向ける。

そんな状況の中でも女はただクスクスと愉しげに笑うだけで、反撃の兆しは無い。


―不気味だ―と男は思った。


四方八方から銃を向けられている状況にも関わらず、女は口元の笑みを崩さず、寧ろ更に深めていく。

真っ赤なルージュで彩られた唇がゆっくりと弧を描いてゆく度に、男の背筋を冷たいモノが滑り落ち、その身を震えさせた。



――不意に、女から笑みが消えた。


「…そんな物騒なモノ向けなくったって、私はもう表舞台に立つ気は無いわ」

女はそう言ってつまらなさそうに溜め息を吐くと、懐から白い封筒を取り出し男に投げて寄越した。

「これは…」

「私の除隊届けよ。除隊理由は"家業への専念"。
…どう?アンタ等にとってはかなり"都合の良い言い訳"だと思うンだけど?」

女はそれだけ言うと徐に立ち上がり、周りの男達を無視してその部屋を後にした。――女が消えた部屋には、茫然と立ち尽くす男達だけが残っていた。





◇◆◇◆◇





《観月さん、お疲れ様です》

『ありがとう、ジョルト。
…それよりもお前、ラチェットの手伝いはいいの?』

お前は助手だろう?と女―観月―が結い上げていた髪を下ろしながら尋ねれば、青い無人のシボレー・ボルトの車体が仄かに揺れ、カーステレオからはクスクスと笑い声が漏れる。

《その先生からの指令ですよ。
"観月が無理をしないように見張っておけ"って》

『……相談する人選ミスったわ…』

そんなに心配しなくても大丈夫なンだけど…、と観月が己の腹部をゆるりと撫でながられジョルトに近付けば、シボレー・ボルトの扉が一人でに開き、観月を車内へと誘う。

観月は慣れた様子で助手席に乗り込むと、徐に後部座席に置かれていたノートPCに手を伸ばした。

観月がノートPCの表面を軽く撫でれば、素早い動きでその形を変えてゆく。

物の数秒で40p程のロボットに姿を変えたソレは、気遣うように観月の手を握った。

《マスタ、体調は平気?気持ち悪くない?》

『大丈夫よモコ。全く問題ないわ』

気遣ってくれてありがとう、と言って観月が微笑めば、ロボット―モコ―は安心したように紫色のカメラアイを細める。

観月はモコから視線を外すと、後部座席に向けていた上体を元に戻し、助手席のシートをそっと撫でながら口を開いた。


『さてと…そろそろ帰ろうか、ジョルト』

《…そうですね。皆さん観月さんを心配してましたから》

『…まぁ確かに、急に私だけが軍のお偉方達に呼ばれりゃあ、そうもなるわよねェ…』

返されたジョルトの返事に納得したように頷いて、観月は困ったように笑う。


そんな観月を乗せて、青いシボレー・ボルトは街の中に消えていった。





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とりあえずここまでが今現在考えているネタです(´・ω・`)
色々と突っ込み処多いのはスルーして下さいm(__)m




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