年上天然/ナランチャ

あぁいつみてもナランチャはかわいい。私を見つけるとどんなに遠かろうがその細い腕をこれでもかと振り回してくれる。そんなにしなくったって気がつくわよ。と控え目に手をふりかえせばその可愛らしい顔でニコニコと笑ってくれる。あぁかわいい。

こんな弟がいたらな、ってブチャラティに話したら苦笑いをされて「かわいそうにな」と返された。私の頭がかわいそうって事なのかしら、そしたら失礼極まりないわね。地味にその白いスーツにトマトソースのシミでもつけてやろうかしら!

その日、いつものレストランで昼食をとってからチームのメンバーと午後のお茶を飲んでいた。フーゴとナランチャはまた算数を頑張っていたし、ミスタはリボルバーのメンテナンスをピストルズとしていた。アバッキオはご飯食べた後しばらく居たけど何かをブチャラティに言われて一緒に席を立ったし、ジョルノは静かに厚い本をめくってた。

やることないわね、って言おうとして欠伸に変わって、私は言う事を諦めたその時に。

「なぁイチ、明日夕飯食べに行こう?」

テーブルに張り付いたナランチャが覗き込むように見上げてきた。

「いいわね」
「じゃあ決まり、オレが連れてくからな!」
ニヤリと笑ってナランチャ少年は言う。
「デートだぜ?」
「エスコートよろしくね」

ドレスアップしたほうがいい?と聞くとそんなのは要らないと言われてしまった。
ああかわいい。
まだ男性になりきれないような四肢とか、大きな目とか、するんとキレイな肌とか。間近で見ると羨ましい気さえする。
そんなナランチャが張り切って私をデートに誘ってくれた。夕飯食べたらどこか行くのかしらキスくらいするのかしら、そしたらどうしよう、弟じゃないわね!

「って、どうしよう!いざって時は年上の私がリードするべきなのかしら!」
「妄想が声に出てますよ」
「やだ!でもちょうどいいわ、ねえどうしたらいいかな!」
「さぁ?でもまあ、アナタいざって雰囲気もぶち壊すでしょうから」
大丈夫ですよ、なんて爽やかにジョルノは言う。何が大丈夫なのかしら。
ナランチャは相変わらずテーブルに張り付いてフーゴと九九に格闘してる。そのナランチャ以外のフーゴとミスタ、ジョルノがナランチャに悲しげな視線を送ってたのはまた別のお話。




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