帰ろう/ホルマジオ

「これも」
ホルマジオの持つカゴにシャンプーの詰め替えを入れた。

「イチ」
「なに?」
「買うもんだけ買ったら早く帰るっつたよな?」
「だってせっかく来たからには必要なもの買っていこうと思って」

ゴムが無いからって24時間営業のドラッグストアに夜中駆け込んだ。明日だっていいじゃんって言ったのにこの男はダメだって言って聞かなかった。そりゃ私の為を思ってくれてるのかも知れないけど、考えてくれるなら1日くらい我慢しろっての。
目に付いたチョコレートを手始めに、切れていた綿棒やシャンプー、それに炭酸水なんかを投げ込んでいく。

店内には私たちの他誰もいなくって、店員さんが欠伸してるのが見えた。ゴムの棚に来て「どれにする?」なんてわざとらしく聞くと「イチが選べ」とか言われて、セクハラマジオめ!とか返したら「この前かぶれたのがあるとか言ってたろ」って、どれがいいか、一緒に選んでくれた。覚えててくれたのね。考えてくれてたのね。

「もう帰ろうぜ」
「うん」

選び終えて、会計を済ませて車に戻って、助手席に乗り込んだ。ホルマジオが荷物を後ろに積み込んで、前の運転席に戻って来た時

「ありがとね」

言うと彼はきょとんとして「何が」。
「ホルマジオ、あたしの事すごい好きだね?」
「なんだよ急に」
「あたしもホルマジオの事すごい好きだよ」

彼の赤毛の頭を両手で捕まえて音が立つようなキスをする。しばらく重ねて、やっと離そうとしたら「しょーがねぇなぁ」といつもの口癖を彼は言った。それを聞いて私はへへへと笑った。

「帰るぞ」
「うん」

早く帰ってベッドに行こう。





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