日々是好日/ミスタ

「ミスタのミスタめっ!」

そう言ってからその広い背中に踵を落とした。

「なんだそれ」

半分笑いながら半分嫌そうに彼は振り向いた。

「久しぶりに会ったのになんだも何もないじゃん!もっと、会いたかったぜハニーとかないの!?」
「会いたかったぜハニー」
「ちーがーうー」

違う違う。そうじゃないのよ。棒読みなのがムカつくけど、そうなんだけどそうじゃないのよ。自分でもわからないけどさ!

せっかく今日はオフでお昼過ぎには部屋にきてずっと一緒にいられるってのに!なんでダラダラしちゃってるの!?もっとアクティブに行こうよ!
なのにミスタの部屋で彼はベッドに腰かけながらちょっと厚めな雑誌を捲っている。私はその背面で寝転がりながらダラダラしてる。その本に何が載ってるかなんて知らないけど本当は私がそこの位置に入りたいのよ!くっつきたいのよ!

そんなことを思いながらもう一度足を上げた。そしたら彼は振り向いて背中に当たる前に足首を掴まれた!

「何すんの!」
「イチこそ何すんだよ」
「何が」
「何がじゃなくてよォ」

グイッと掴まれた足首はそのままにベッドに押さえつけられた。さっきまで夢中だった雑誌をほうリ投げて。そして気が付けば私は立派に開脚してた!!

「離してよ!」
「会いたかったぜハニー」
「顔見なさいよ!どこ見て言ってんのよ!」
ミスタの視線は明らかに下で、開かれた太ももにチュッとリップ音をさせて口付けた。
「オレだってなぁ考えてなかったわけじゃねえのよ。どっか行きてぇなら行きゃいいが、イチ」
「な、によ…」
「こうやって一緒に過ごす時間を楽しもうぜ?」

お、おぉ、なんかマトモな事言うわね、ミスタなのに!
さわさわと私の内股をなで上げながら、ニヤニヤとするミスタ。そのままするりと手を差し入れられる。

「…って、ミスタ、まさか2人の時間を楽しむって」
「いいだろ、久しぶりなんだから」

今度は脹ら脛に口づけてにやけ顔をして。だったら最初っからしたいって言えばいいじゃない!

「昼間っからサカるな!」
「他に思いつかねーだろうが」

ミスタをふりほどいたり、追いかけられたり、時にはなんかよくわからない寝技?とか掛け合ったり、結局なんだかんだと楽しくって日が暮れるまでじゃれあった。
「あー、お腹減った!」
「んだよ、もう飯かよ」
ブチブチと文句を言うミスタを置いて、その狭いキッチンに行って「私が作ってあげるね」なんて、食材は何があるのか調べ始めた。ちょっとふてくされたようなミスタが
「ピストルズの分も」
「わかってる」

背中からピストルズと会話する声なんかも聞こえて、あぁそういや忘れ物、なんてミスタの方に戻って、チュッとわざとリップ音をさせてキスをした。
「今晩もよろしくね」
面食らったようなミスタが一拍おいて、「楽しもーぜ」とニヤリと言ったら、ピストルズがみんなでヒューッ!と叫んだ。




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