イルーゾォの後ろから普段のリーダーが入ってきた。元のサイズのリーダーだ!つまんねぇの!

「メローネは戻らんか」
「てかリーダーはどう戻ったの!?」
「寝て起きたら効果が切れたみたいに戻っていた」
手のひらを握って開いてして自分の体を確かめているみたい。支障がないことを確かめるとメローネに視線をやった。近づいて、抱き上げてみる。メローネはきょとんとして、リーダーの銀髪に手を伸ばしていた。

「メローネ、何かしゃべれ」

いやいや子供にその威厳て必要なくない?
やっぱりきょとんとしたメローネがリーダーの顔をペタペタ触りながら笑っている。

「ニナ、何か喋らせろ」
「そんな無茶な」

「むちゃあ?」

オウムみたく私の言った言葉を繰り返して見せるメローネをリーダーの腕から奪い返して「ベイビィフェイス、とか?」。

「べいびぃふぇいす?」

私の顔もぺちぺち触れながらメローネが首を傾げた。この有り様よ。

「メローネがスタンドを発動したのは何時だったか?」
「15って言ってた」
「やはりその時期より前はスタンドも発動できんか」ふむ、と唸ったリーダーは私の腕の中にいたメローネの足を掴んでいきなり逆さ吊りした。

「ちょ、リーダー!?」

メローネも意味がわからず反転した世界に瞬きをしたけどすぐに「やぁぁ!」叫んで泣き始めた!
それでもリーダーは軽く揺さぶったりして逆さ吊りにしている。
「リーダーなにしてんの!?」
「おいおい、リーダー!」
私とギアッチョで止めようとしたけど、リーダーは無表情のままメローネを逆さ吊りにしている。イルーゾォもさすがに表情を歪めた。それにメローネの叫び声にご飯当番だったらしいジェラートも走ってきて、「ワオ!」その光景にちょっとひいてた。

「やぁぁ!」
「本気の怯えだな」

「トラウマ植え付ける気かあんたは!」

ギアッチョがメローネを力ずくでリーダーから取り上げるとそのままに叫んだ。
「記憶ないって言ったろォが!」
「検証だ。言葉なら偽れる」
「なんで偽る必要があんだよ!オレたち仲間ん中でよォ」
「オレの場合、年齢以降の記憶もあったからメローネもあるんじゃないかと思い多少揺さぶってみただけだ」
揺さぶりがそのまますぎるんじゃない!?小さく震えるメローネを腕の中にいれたら、メローネはぎゅっと抱きついてきた。

「すまなかったな」
その頭に手をかざそうとしたけど、もうメローネはリーダーの顔をまともに見ないで私の胸に顔を押し当てていた。

「嫌われてやんの」
「…」
「逆さ吊りなんかにするからよ」

ププ、行き場を失ったリーダーの手が空中をかいている間、私はメローネの髪を梳いていた。本当にサラサラして指通りがいいブロンドね。

「しかし、オレが戻ったならメローネも戻る可能性は十分になった」
攻撃力の差異だな、行き場を失った手は自分の顎にあてることで落ち着いたらしく、リーダーは顔を上げないメローネの頭を優しく撫でて部屋から出ていく。

「あ、飯もうすぐできっから」
「そういや腹減ったな」

ジェラートとイルーゾォも続いて出ていった。


裸足で床に降りてたギアッチョがその足を冷たそうにすりあわせてクロゼットを開け、服を取り出した。さっさと着替え始めて、私のシャツを勝手に漁って1枚投げつけた。

「ニナのヤツのがサイズあうだろ」

メローネに着せていたギアッチョ自身のシャツを見て言う。それもそうだね、メローネの服を脱がせて丸いお腹の上に私の服を着せた。この女の子のようにかわいらしい子供がサディストもマゾヒストも超越した変態に育つなんて、世の中間違ってんだわ。あ、間違ってるから私たちがギャングだったりすんのね。じゃあ世の中間違ってないかもしれないわ。


::::::::::

メローネを抱えて朝ご飯を食べにダイニングテーブルにつくと私の指定席の前にオレンジジュースにパンケーキが用意されてた。なんだかんだいいながらジェラートだって子供好きじゃない。自分のための堅いパンを引きちぎりながらメローネがカチャカチャと音を立ててパンケーキを切り分ける姿をみた。
私のうちは厳しかったから食器の音を立てるだけでよく叱られた。別にいまとなっちゃあどうだっていいけど、実際に子供が食器の音を立てているのに苛立つかと言ったら特になにも思わなかった。このチームのみんなも特にどうだっていいらしい。何も言わずに食べている。

「メローネって、案外いい家の子なのかしら」

ふいに思って口にだしたらプロシュートが視線をあげて
「メローネの過去の話なんか聞いた事ねぇな」
と笑った。
口々にそういやそうだ、とやかましくなってきた時、
「一度聞いた。母親がたいそう美人だったそうだ」
ミスなんとか、に若い頃ノミネートされたこともあるらしいとリーダーが言った。え、それだけの情報しかないの、と訝しんだけど、
「ま、メローネの事にゃああんまり興味わかねえなぁ」
ホルマジオが言ったから、まぁそっか、と頷いてしまった。
半分ほど食べてフォークを動かさなくなったメローネをみて、そのパンケーキの上に私専用のイチゴのジャムを落としてあげたら、やっぱり頬にベタベタつけて食べはじめた。手間がかかるな、思ったけど、まぁこんなもんか、ナプキンで拭ってあげた。



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