タオル1枚/リゾット

名前変換





「リーダー助けて!」
私はバタバタとリーダーの部屋に飛び込んだ。驚いたらしいけど全くそんな気配を見せないでリーダーは立ち上がって「落ち着け」と肩に手を置いた「どうしたその格好は」。

「だって、メローネが!」
バスタオル1枚を体にくっつけてリーダーの許に逃げ込んだ。追っかけるようにメローネもリーダーの部屋に入って「偶然だって」、ニヤニヤと言った。

「だって入ってるの、服を脱ぐ前に気がつくでしょう!?なんで裸になって、カーテンまであけるの!」
「気がつかなかったんだよ、マジだって」
ヒラヒラと手を振りながら笑っている。

「うそ!絶対わかってたでしょ!」
「オレだって外走って汗かいて気持ちわるくて急いでたんだよ」

間にリーダーを挟んで言い争う形になった。任務もないのに外を汗だくになるまで走り回る意味がわからないわ!だから叫んだ「確信犯よ!」。
腰にタオル1枚巻いただけのメローネがひでぇなぁとノンビリ言った。頭の後ろで手を組んで「ま、いいや。もうわかははいらねぇだろ?オレ、バスルーム借りるぜ」。少し楽しそう。

なんか、おかしい。メローネがこんなに早く引き下がるなんて。普段なら着替えのブラにショーツを持ってきて広げて「趣味がよくないからオレが用意してやる」くらい言うのに!リーダーの背中にくっついてその様子を見ながら、そしてふっと気がついた「湯船のお湯、抜いてない!」

「メローネ待って!お湯は抜きなさいよ!」
背を向けたメローネに叫んだけど。
「大丈夫、オレ気にしないから。それにエコだろ?安心して、わかのあとの湯を瓶詰めしようなんて思ってないし」
「この変態!!」
笑ってる。
絶対狙ってたわね!
さっさとバスルームに向かいだした!

「メローネ待って!」
「また湯をはっていたのか」
「日本人たるものシャワーより湯船派なのよ!メローネ待って!」

リーダーの背から出て追いかけようとした時に、リーダーに腕を掴まれ「出るな」と言われた。その瞬間にメローネは口から血を吐いて膝から崩れた、口から剃刀が1枚落ちて「なにもメタリカしなくても…!」。

倒れたメローネの前にリーダーは立ちはだかって
「変な事考えるからだ」
「アンタは考えねぇのかよ」
「考えても行動には移さんぞ」
タオル1枚のメローネを担ぎ上げてリビングのソファに投げこんだたらしく、リビングにいたホルマジオとギアッチョの非難の声がした。
ほどなくしてリーダーが部屋に戻ってきた「災難だったな」。

やっとメローネを遠ざけられたわ!よかった!でも苛立ちは収まらなくて
「今度からホルマジオに瓶詰めにしといてもらってから入ろうかしら」
「柱にでも括りつけておけ」
「そうするわ」


私が意気揚々と言ったのに、リーダーは顎を押さえて私をみた「…にしても」。

「何?」
「メローネに見られたというのも心外だが、バスルームからその姿は他の誰にもみられてないだろうな」
「まっ、まぁ」

急に言うからびっくりしたわ。リビングよりリーダーの部屋よりにバスルームはあるから誰にもみられてないだろうけど。
おもむろにリーダーは私のバスタオルに手をかけて、前を開いた!
「リゾットさんん!?」
「やはりタオル1枚だったか」
「だからって!何確認してんの!」
リゾットさんの手からもぎ取って慌てて閉じたけど!しっかりみられているわよね!
うぅ、唸って見上げてみたけれどリゾットさんは
「さっきからそれ1枚でくっつかれていたこっちの身にもなれ」

そう言って、ちょっと耳を赤らめた。え?何?その反応?

「リゾットさん?」
「その呼び方も」

眉間にシワを寄せて耐えているかのように、珍しく露骨に顔をしかめる。

「誘っているのか?」

えええええ!?何言っちゃってるのよ!2人きりの時だけ名前で呼ぶなんて前からじゃないの!

「わか」
はぁ、と落ち着けるように息を吐いて
「オレだって男だ」
「ごめんなさい!私も慌てて!だって、メローネに覗かれたと思ったら!」
「オレの所に逃げてくるのは間違いじゃあないが、…くっつかれるのは、不意打ちだった」

背中にくっついた時の事言ってんのね。

「そ、そりゃ悪かったと、思うけど」

口ごもるように言ったら、「脱がす手間が省けたと考えるか」と呟いたのが聞こえた。

「リゾットさん!?」
「いいだろう?」
「いや、私、今日はもう寝ようと」
「一緒に寝ればいい」

よくないですよ!、でも断る理由もないのよ!
すでに腕の中に収められてしまった私は、リゾットさんが後ろ手で部屋の鍵を締めた音を聞いて、さらにお湯から冷めた肌に暖かな人肌の温度を感じてしまった。

「いいか?」
「…ん」

答えたら、そのままに持ち上げられてベッドに寝かされた。リゾットさんもベッドに乗って、ギシッと軋むのがわかった。
頬に冷たい手が触れて、顔が近づいて「湯冷めしていないか?」と小声で聞かれて。
大丈夫よ、とやっぱり小さく答えてその首に腕を回した。

リビングの方からは復活したらしいメローネとギアッチョの怒声が響いていた。

メローネの被害にあうたびコレじゃあ体力保たないかもしれない。そう思ったけど、タオルが外される頃にはどうでもよくなってしまったの、あとで真剣に考える事にした。




top 


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -