『侑士、好きだよ』

「俺も好きやで、名前」



こんなやりとり、今まで何回しただろう

笑顔で笑い合う日もあれば、真面目な顔で見つめ合う日もある

いつでも変わらないのは、それが心からの言葉だってこと



『なんてゆーか、独り占めしたい、侑士のこと』



これ、いっつも思う

侑士の瞳も髪も唇も指も、全部

誰の目にも触れさせず、自分だけのものにしてしまいたい

こんな気持ち、歪んでるかな



(でも、)

(それだけ、好きなの)



こんなに人を好きになれることが、すごく幸せ



「俺は、名前だけのモンや」



侑士はそう言って、目を細めて笑う

この気持ちを受け止めてくれる侑士も、歪んでるかも

実際、侑士を閉じ込めておくことはできない

だけど、体格の大きい侑士を力いっぱい抱き締めるだけで、独占できたような気持ちになれる



(好き)

(すごく‥‥、好き)



抱き締め返してくれる侑士が愛しくてたまらない

この胸も、この腕も、好き

私だけを包んでいればいい



「名前かて、俺のモンやで?」



私の頬を包む、温かくて大きな掌

私を映す侑士の瞳が優しすぎて、涙が出そう

言われなくても、私の心には侑士しか居ない

心も身体も、侑士に支配されているの



「名前‥何で泣くん、喜ぶとこやろ?」

『だっ、て‥‥嬉しい、んだもん』

「可愛えやっちゃなぁ」



くすっと笑う侑士の唇が、額に落ちてくる

侑士の些細な行動一つ一つから、愛を感じる気がする

髪を撫でる手からも、腰に回される腕からも

その全部が、愛しい



『侑士』

「なんや、名前」



侑士の首に回した腕に一層の力を込めて、耳元で囁く

きっとこの気持ちは、明日も明後日もどんどん膨らむばかり

侑士といれば、ずっと変わらない気持ち



『‥‥愛してる』

「俺もや‥‥、愛してる」



この気持ちを貴方に伝えるために、今日も私は愛を囁く



















(この想い、永遠に)



back
- ナノ -