「あ、せや名字さん」
『どないしてん、白石くん』
「んん〜‥なんかしっくりけぇへんなぁ」
『ん、何が?』


火曜日。休み時間に、前の席の白石くんが振り向いて話しかけてきた。謙也の部活仲間でもある彼は超絶美形な顔立ちをしとる。


「自分、謙也と付き合うとるんやろ?」
『ああ‥うん、まぁ一応』
「謙也からやったん?」
『せやな、メールやったけど』
「アイツらしいなぁ、それ」


ははは、と笑う白石くん。何が言いたいんやろ。部活仲間やったら、そんくらい謙也本人から聞いたったらええのに。なんや恥ずかしいやん。


「ほな謙也が告って、名字さんはオッケーしたんや」
『まぁ‥そーゆーことやな』
「名字さんは告られたとき、謙也のことどう思てたん?」


白石くんは、からかっとるとかやのうて真剣に聞いてくるから思わず考え込んでまう。何で今そないなこと聞いてくんねん。


『‥うちも好き、やったんちゃうかな?』
「へぇ、いつから好きやったん?謙也のこと」
『そ‥っ、そんなん一々覚えてへんわ!』
「ははっ、堪忍な?困らせてしもて」


包帯を巻いた白石くんの手がうちの頭を撫でる。アカン、今うち絶対顔真っ赤や。危うく謙也との馴れ初めとか言うてまうとこやった。そんなん言うたらもったいない。


「こぉら白石ー!」


白石くんに頭撫でられとる最中に、噂の謙也登場。けど、何でかめっちゃ怒っとる。


「お触りは禁止や言うたやろ!」
「何言うてんねや、いい子いい子はお触りには入らへんやろ?」
「アカン!名前に触ったらな、いくら白石でも怒るで!」
「何や、せっかく協力したったのに偉い言い草やなぁ謙也?」
「うっ‥ま、まぁそこは‥おおきに」
「分かればよろしい」


目の前でテンポよう進められる2人の会話。うちの顔がポカンとしとったんやろか、見かねた白石くんが口を開いた。


「謙也な、自分がホンマに好きんなってくれとるんか気になってたらしいで」
「ちょ、白石言うなて!」
「せやから俺に、聞いてくれへんかーて頼んできてん」
『‥謙也、それホンマ?』
「え、‥あ、いや何ちゅーか、その」


謙也の顔が真っ赤なんはホンマな証拠。何なん、うちに直接聞いたらええのに。謙也はホンマ恥ずかしがりっちゅうか。


「謙也はホンマにヘタレなんやなぁ、財前の言うてた通りや」
「あ、アホ抜かせ白石!ヘタレちゃうわ!」
『ええやん、ヘタレな謙也もうち好きやで』
「名前‥!俺もや!」










ヘタレキャラ
(なんや熱いなぁ2人とも)(うらやましいやろ白石!)(はいはい)



―――

白石、友情出演。笑

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