『謙也やん、おはよ』 「お、名前!おはようさん」 月曜日。朝の校門前でめっちゃダッシュしとる謙也に遭遇。噂によれば、自主練で学校の外周を走り込んどるらしい。 『ようやるなぁ、ホンマ』 「こんなんでもせんと全国で通用せぇへんっちゅー話や」 『へぇ〜‥』 せや、うちの学校の男テニは全国レベルやった。そん中でレギュラーや言うんやから、謙也って意外とスゴい奴っちゅーこと今更気ぃ付いた。 「ところで、名前」 『どないしたん?』 「宿題見して!」 『‥どれ』 「世界史、俺今日当たんねん‥なっ、この通り!」 手を合わせて頭をへこへこ下げる謙也見とると、全国レベルのスゴい奴には到底思われへん。ホンマは土下座選手権の全国大会とかちゃうの。 『一つ貸しやで?』 「名前っ、おおきに!」 『これで貸し3つ目や、きっちり耳揃えて返してな』 「当たり前やろ、男に二言はあらへんわ」 さっきまでと打って変わって輝かしいばかりな謙也の笑顔。あ、アカン、眩しすぎて目が眩む。ちょお誰かサングラス持ってきてんか。 「どないしたん、名前?」 『ちょお目が眩んでもうて‥』 「そらアカン、保健室行かな!」 『や、アンタのせいやから』 「え、俺?」 眩しすぎる笑顔 (無自覚なんが罪やわ)(何の話や、名前)(何でもあらへん) ――― 曜日は関係ないです← back |