ジローくんと迷子ちゃん

すぴーーーすかーーー
んーーむにゃむにゃ……


「もしもーし!生きてますかーっ」
「んんっ……すやぁ」
「くっ……こいつはもうダメだ…っ」


こんにちは、私は苗字名前です。
突然ですが私の趣味は週に一度外をブラブラすることです。
ちなみに今までブラブラした数はなんと2回!

そして今日も今日とて気の向くままブラブラ歩きをしていたら、初めて見る公園に到着した。なんだがとっても懐かしい……と言ってもつい2.3年前には元気に遊んでたはずだけど。

まだ日が沈むには早いが徐々に傾く日に公園内は人の姿がない


「やっぱり最近の子はお外で遊んだりしないのかね〜……ん?」


貸切状態の公園に少しうきうきしながら近くの鉄棒へ近づくと木の影になっていて気づかなかったけど人の足が見える。


「ま、まさか死体……なんちゃって!」


そーっと近づいてみると足の主は私と同い年くらいの男の子だった。
色素の薄い茶色の髪はふわふわしてて、なんだかヒツジみたい。

規則正しく動く肩に閉じられた瞳は彼が眠っていることを示していて


「うぐぐ、起きないなぁ……そろそろ日が沈むし、このままにはできないよね……?」


気持ちよさそうに眠ってるところを起こすのは少し気が引けるけど。
私は思い切って彼の肩を揺らしてみた


「おーーい起きてーー!!」
「……んん?」
「いくらあったかいとはいえ、お外で寝てたら危ないよー?」


体を揺すられたことで彼は起きたらしく、ゆっくりとその目が開く


「んん……あれぇ?ここどこだっけ」
「わー記憶そーしつ?だいじょーぶ?自分が誰だかわかる?」
「んー俺はジローだよ〜、あれ君だーれ?」
「私は苗字だよ〜ジローくん公園で寝ちゃってたみたいだけど」
「あ、そっか!帰ろうと思ってたんだけど、眠くなったから寝てたんだった」
「おぉ、フリーダムだね!」


ジローくんは大きく体を伸ばしてから枕にしていたテニスバックを肩にかける

「ジローくんテニス部なんだ」
「ん?そーだよ!君もテニスするの?」
「ううん、しないけど見るのは好きかな」


テニスの話になった途端、まだ眠気眼だったジローくんの目がぱっちりと開いた。くりくりした目はヒツジよりわんちゃんみたいかも


「起こしてくれてありがとうーこのままだと母ちゃんに怒られるとこだったC〜」
「そうなんだ!なら良かった」
「苗字ちゃんも帰り道?」
「んーそうだね、そろそろ帰らないとかな」


気がつけば日も沈んできているし、私も怒られちゃうかも


「なら一緒に帰ろ〜!俺、駅の方行くんだけど苗字ちゃんは?」
「!うん、私も駅行く」
「じゃぁ、お話しながら帰れるね〜俺すぐ眠くなっちゃうから話し相手がいるとうれC!!」
「うへへ、私もうれしー!!」


ブラブラ歩きの難点は道が分からなくなることだよね。今までもそれで助けてもらってたし、でも今日はそんな心配いらなそう
ジローくんに感謝感謝!

こうして公園を出た私たちはお話しながら帰りました。
今日のブラブラ歩きも楽しかったなぁ♪




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -