青空寮
朝の清々しい空気の中、私は毎日の日課である箒がけをしていた。
生まれてすぐに両親が他界し、大阪にいる祖母に育ててもらった。気前が良くて面倒見の良い祖母のは小さい学生向けのアパートの管理人をしており、いつも誰かしら人がいて、和の中心で豪快に笑う祖母が大好きだった。
そんな祖母の口癖は『情けは人の為ならず』人に優しくすれば人からも優しくしてもらえるのよ。とお茶目にウィンクする祖母は結構ちゃっかりしているのかもしれない。
そんな祖母も一年前に腰を悪くしてからは少し離れた場所に暮らすお母さんの妹さん夫婦と一緒住んでいて、もちろん私のことも面倒を見てくれると言ってくれていたのだが祖母が大切にしていたこのアパートを手放したくなくて無理を言って残らせてもらった。
全部で3階建てのこのアパートは1階には共同の食道にお風呂やお手洗い、管理人である祖母の部屋。あ、今は私が住んでます。
2階と3階には各5部屋づつあって今は各階の1部屋づつ空きがあるのを除いて学生さんが住んでいる。
築ウン十年経ってるけど、祖母に昔お世話になったという人達が度々来ては改装してくれたり補強してくれたりと、そのへんのアパートに負けないくらい綺麗に保たれてる。
そんなこのアパートを皆親しみを込めて『青空寮』と読んでいます。