生ぬるい夏の残像


※3Pだけど夢オチ。3話と4話の間くらいの話で、2話より暴走しています。


飲みすぎて気分が悪い。
そう言ってソファに倒れた大吾さんが、私の太ももに頭を乗せた。頭の下にクッションを挟もうとした時、スカートの中に入った手が素肌を撫でた。腹が立って、にやにや笑う大吾さんのおでこを軽く叩いた。

「大吾さん!私だからいいけど、他の人にやったら逮捕されちゃうよ」
「唯子だけだ。こんなことするのは」
「もう、何言って…」
「峯と仲直りしたんだ。褒めてくれ」

例の件があってから、もうお酒は飲まないと豪語していたのに、本当に仕方のない人だ。極道の家に生まれて若くして会長という立場になった。それは大吾さんが選択したことだけど、日々苦労が絶えない状況には同情してしまう。

「うん。仲直りできて偉いね」

だけど酔っ払いの相手をするのは嫌だから、適当になだめて部屋を出てしまおう。
オールバックにした髪を撫でていると、唇が近づいてきた。

「唯子…好きだ」
「わっ、キスはだめ!」

間近に迫った顔を両手で止めたところで、突然扉が開いて、峯さんが部屋に入ってきた。

「峯さん、なんとかして」
「困った人だ。少し横になりましょう」
「唯子に治してもらうから平気だ」
「大吾さん、今お水を持ってくるね」
「なんで離れるんだ。峯が見てるからか?」

腕を強く引っ張られて、今度こそ唇を塞がれてしまった。逃げようとして胸を押しても、大吾さんの大きな体はびくともしない。

「んむ…!大吾さ、んっ」

再びスカートの中に侵入した手が、太ももを撫でまわした。

「触っちゃいや…!」
「ふうん。嫌そうに見えないけどな」

下着越しに敏感なところを引っ掻かれて、両脚の力が抜けた。
視界の端で、峯さんが肩をすくめる姿が見えた。





大吾さんに胸を愛撫されながら、秘部に指を入れられている。つい数分前に気分が悪いと言っていたのに、元気そうに見える。興奮して酔いが覚めたのだとしたら、心配した自分が馬鹿みたいだと思った。

「あっ!こ…んな、恥ずかしい」
「恥ずかしいのが好きだろ?唯子は」
「違…っあ、ん」

ベッドに仰向けの状態でされるがままになっていると、峯さんが私の手をとって股間に誘導した。スラックス越しのそこは盛り上がっていて、熱が籠っているのを感じた。

「やだ、なんで大きくなって…」
「扱いてくれないか」

勃起した性器を握らされてしまって、仕方なく手を動かした。こんなアダルトビデオのような状況は嫌だ。でも、大吾さんと淫らな行為をしている手前、峯さんを拒否することができなかった。


大吾さんの大きくなったものがボクサーパンツ越しに秘部に当たって、体が強張った。だけどそれが入ってくることはなくて、私から離れた大吾さんが峯さんの隣に移動した。
半裸になった二人の距離が近くて、その危険な光景に思わず悲鳴を上げた。

「なあ、峯」

耳元で何かを話した後、大吾さんはベッドのそばの椅子に腰掛けた。入れ替わるようにやってきた峯さんが、私の両膝を開いて押さえつけた。

「大吾さんに触られて、ぐちゃぐちゃだな」
「峯さんっ…」
「今度は俺がやる」

くっつけられた先端部分が熱くて、腰が引けてしまう。でも、そんなことはお構いなしに一気に入ってきた。

「ああぁ!深いっ…!」

峯さんが私に触れるのは、今回が初めてじゃない。だけど、またこんな風に求められていることが信じられなくて、熱くなった顔を両手で覆い隠した。

「唯子…」
「やっ!そんな奥、だめっ」
「こんなに締め付けて、何がだめなんだ?」
「峯さんの馬鹿ぁ!」

ぱんぱんと乾いた音が響く。すぐ近くで大吾さんに見られているのに、出し入れされながらキスをされると、気持ちいいということしか考えられない。


「峯に突っ込まれてる唯子がエロすぎる」

様子を見ていた大吾さんが、下着から性器を出して顔の前に跨った。こんな角度から大吾さんを見るのは初めてで、良くない想像が頭をよぎった。

「咥えてくれ」
「んん〜っ!」

口内に、硬いものがねじ込まれた。入っているのは先端のみでも、かなり苦しい。舌で押し出そうと試みたけど、体を揺さぶられているせいで思うように動けなかった。

「あぁっ…唯子の口、最高だ」

結局、中途半端な動きになって、大吾さんを喜ばせてしまった。もうどうにでもなれという気持ちと、早く満足してほしい気持ちで、半ばやけくそになって舌を絡ませた。
顎が疲れてくると、大吾さんは自ら腰を動かし始めた。もちろん加減はしてくれているけど、相変わらず息が苦しくて辛い。


「ん!んうぅ…っ!」

大吾さんの背中しか見えないのに、峯さんの動きはどんどん激しくなっていく。こんなのひどい。男の人って、気持ちよくなれればそれでいいんだろうか。

「そろそろっ…限界だ」

少し遠くから聞こえた峯さんの声は上ずっていて、余裕がなさそうだった。
大吾さんが動く度に、根元の硬くなった袋が顎にぶつかる。二人の限界が近いと認識しながら、もう果ててしまいそうな私は、顔の左右に置かれた太ももを手のひらで叩いた。

「んんっ!んーーっ!」

大吾さん、どかないと噛んじゃうよ!
声を出せない私は、心の中で叫んだ。




「……!!」

目を開けるとそこは峯さんの部屋ではなく、普段から寝起きしているシングルベッドの上だった。全身が汗びっしょりで、濡れたTシャツが肌に張り付いて気持ちが悪い。何が起こったのか理解できなくて、しばらく経ってからようやく夢だと気づいた。

「あああ…」

熱くなった顔を、勢いよく枕に埋めた。
複数の男性に求められたいのか、欲求不満であんな夢を見たのか。どちらにしても、自分が危ない人間だということを思い知った。

「峯さんも大吾さんも、過激すぎ…」

もちろんそれは、私の脳内で創り出された存在だけど。
夢の中の出来事とわかっていても、しばらく二人の顔を見られそうになかった。


2018.7.30
タイトル:夜半

 

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