東◯2020


桐「オリンピックスタッフ?」
真「桐生ちゃん、どーせ暇しとるやろ」
桐(子供達が成長して昔ほど手がかからなくなった。確かに時間を持て余しているが…)
桐「なんで俺なんだ?」
真「一人でやってもつまらん」
桐「子供か」
真「そういや峯の坊やも応募するとか」
桐「え、峯が?」
峯「またとない機会ですからね」
真「ほれ見い。若いもんは流行りに敏感や。で、どれにするん」
峯「外国語サポートにしようと考えています」
桐「得意分野だな。他にも色々あるのか?」
峯「はい。桐生さんは運転手の経験があるので送迎スタッフに適していると思いますよ」
桐「ほう、それなら俺にもできそうだ。峯はよく知ってるな」
峯「ホームページを覗いただけですがね」
真「ワシは運営サポートってやつにするわ。悪い連中が紛れ込まんように厳重警備や!」
大「仕事しろよ」
峯「大吾さん」
大「峯……本当に行っちまうのか?」
峯「やめます」
真「峯坊、あっさり寝返りよった」
桐「どうすんだ。俺は英語話せないぞ」
真「ワシもや。ま、どーにかなるやろ」
桐「そうだな。こういう大きなイベントの時くらい、世間の役に立たねえとな」
真「せや。暇つぶしできて小銭も稼げる。サイコーや!」
大「ボランティアなんだから出るわけないでしょう。無給ですよ」
桐・真「えっ」
大「ちなみに飯代や宿泊費も自己負担です」
真「あーやめやめ。あほらし」
桐「ボランティアって最初に言えよ兄さん」
真「すまん。しかし交通費も出んとはなぁ」

− 解散 −

大「ついさっきまで、世間の役に立ちたいとか言ってなかったか?」
峯「ええ。聞きました」
大「正直言うと、俺も少しは興味あったよ。すぐ諦めたけどな」
峯「そうですか」
大「しかし、真島さんは不満そうだったな。組を放り出してオリンピックとは、それほど組織に不満があるってことか」
峯「いえ、そういうわけではないかと」
大「やはり、固定給でなく歩合制というのがまずいだろうか……」
峯(また六代目の悩みが増えてしまった)


2019.1.6

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