「げ…やばい、やばいって、ちょーやばい」
「…」
「ねえねえやばいんだって、やばいの!」
「…」
「おい下まつ毛なんで無視すんだコラ」
「誰が下まつ毛なのだよ!オレは次の時間の小テストにむけて集中しているところだ。話かけるな」
「困ってる可愛い女の子をほっとけるほど次の小テストが重要なの?」
「…」
「困ってる女の子をほっとけるほど次の小テストが重要なの?」
「…」
「困ってる子をほっとけるほど次の小テストが重要なの?」
「そうだ」
「私性別もなかったことにしなきゃ話かけてもらえないの!?」
「いいからさっさと小テストの勉強でもするのだよ」
「その小テストに集中できない理由があるんですよ」
「どうせくだらないことだろう」
「なんで緑間はいつも上から目線なの?下まつ毛の方が豊富のくせに」
「…」
「無視しないでお願い!ごめんなさいするのでシャーペンの芯ください」
「シャーペンの芯…?」
「1本もなかった。切れちゃってた。これじゃ次のテスト名前も書けずに0点だぜ」
「人事を尽くさないからだ、バカめ」
「だからこうして頼んでるわけじゃん!ちょうだい!ハッ!真ちゃん芯ちょうだい!ぶふっキタコレ」
「…」
「ごめんなさいするから芯ください」
「…はあ」
「あからさまなため息ありがとうございます下まつ毛」
「貴様…!減らず口を、返すのだよ!」
「もういただきましたありがとうございましたー!」
「つくづく癇に障る奴なのだよ…!」
「感謝感激です、ありがとうございました」
「あ、やべえ。おい」
「ちょっと引っ張らないでよ…私やっと小テストの勉強できる状態になったんだけど…」
「シャーペンの芯よこせ」
「…」
「無視すんな苗字コラ」
「隣の席のくせに今までの会話きいてなかったの?ばかなの?」
「あぁ?誰がバカだ。いいから芯くれ」
「やだよ」
「シャーペンの芯すら渡せねえなんてケチすぎだろお前…あれか、新品の虫取り網でも買ったから金ねーのか」
「その虫取り網でお前をつかまえてやろうか」
「ハン、やれるもんならやってみやがれ」
「以上、この話終わり」
「って待てコラ!シャーペンの芯よこせよ!このままじゃオレ名前も書けずに0点になっちまうだろーが!」
「いやほら青峰なら芯くらいなくてもいけるよ」
「何ジッと見てんだよ」
「今こそその地黒をフル活用すべきだよ!ふぁいと!」
「なめてんのかてめえ肌の黒さで文字が書けたらシャーペンの芯屋はつぶれてるぜ」
「頭いいのか悪いのかよく分かんない発言ありがとう…」
「いいからはやく芯よこせよ」
「いやいや私だって今似たようなやりとりして緑間から芯かっぱらったところだから!このシャーペンほんと私の生命線だから!」
「あ?そもそも芯すら持ってねーのかよ…つかえねえ女だな」
「うわむかつくけど女として認めてもらえてちょっと嬉しい私がいる」
「何だそれ気持ち悪ィ…おい緑間、芯よこせ」
「…お前もか、青峰…」
「お、さんきゅ。やっぱ持つべきものは緑間だなー」
「あれっ私の時と対応ちがくない?なんで素直に芯あげるの?ホモなの?」
「ふざけるな誰がホモだ」
「痛い痛い痛い緑間くんそこほっぺ、ちぎれるちぎれる」
「ホモ…?緑間お前そういう趣味だったのかよ…」
「青峰シャーペンの芯を返せ。今すぐ返せ」
「もうもらっちまったもんは返せねーな…ほらケース。ありがとよ」
「…お前らと話していると疲れるのだよ…」
「緑間は柔軟性が足りないよね」
「もうちょっとゆるく考えた方が人生楽しめるぜ?」
「フン、オレにはオレの価値観がある。自分の価値観を押し付けないで欲しいのだよ」
「その緑間の価値観とはラッキーアイテムを持ち歩くことなのだよ」
「今日のラッキーアイテムはピンクのうさちゃんなのだよってか。お前そりゃねーわ、カバンの中から飛び出てるそれどこで手に入れたんだよ…」
「いや私は今うさぎをうさちゃんって言った青峰がねーよって思ったわ」
「なんだと!?オレは緑間が言いそうな言葉を選んだだけだっつの!」
「なに!?オレはうさぎのぬいぐるみをうさちゃんなどと言う趣味はない!」
「じゃあうさぎたん?」
「誰が言うか!」


「おいそこ静かにしろー。小テスト始めるぞー」


「なっ…!?」
「あ、先生来た」
「ちっ…だりーな…」
「結局ろくに勉強できなかったのだよ…!」
「よーし、がんばるぞー!」