暑さ寒さも盆までというのに今日は茹だるように暑く、冷たいはずの廊下の板を自分の体温で温くしながらふと空を見ると、何とも痛々しいほどの青がパッと目に飛び込んで、居た堪れなくなって気付けば近くの山の中で清流に足を浸していた。目に痛いあの色は木々に遮られ足元の流れに複雑怪奇なコントラストを落とすばかりである。何故こんな所に来てしまったのかは本人にもよくわからなかった。青の見えない場所と涼を求めた結果であろうか、などとつらつら考えながら足を流れに遊ばせる。しかし本当は理由なんてわかりきっていたのだ。水の冷たさとは別のぬたりとした冷たい何かが背後と水の中で肌に触れるのを感じて、その人は嬉しさで堪らなくなった。口元がうっそりと緩やかに弧を描く。嗚呼、迎えに来たのだ!逝きそこない

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