“僕が唯一認めた剣の持ち主を失って、何年になるのだろう。
空の日差しに片手を上げて、眩し気に見上げる。
はじめ君が亡くなたと聞かされて、僕はその言葉を受け入れられなくて彼との思い出の場所にしがみつく思いではじめ君が訪れてくれるのを待つ。”
「総司、やっぱりここに居たか。」
「近藤さん」
「屋敷から出る時は、一言声を掛けて出掛けないと歳が心配する。」
「ごめんなさい近藤さん、慌てて出て来ちゃったから。」
「今度からは気よ付けるんだぞ。」
近藤の穏やかな言葉に沖田は笑顔で返事をした。
「はい。」
“はじめ君、僕は君を…君の亡骸を目にするまで、君が死んだなんて認め無いから。”
沖田は利き手をぐっと握りしめた。
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