魔核(コア)奪還編

SKIT


ナンって誰です?
カロル「……あの、エステル。視線が気になるんだけど、何?」
エステル「聞いてもいいんです?わかりました。では、質問します。ナンというのは、カロルの大切な人なんです?」
カロル「ぶっ……ごほっ……げほっ!」
エステル「女の子の名前ですよね?もしかして、ハルルの花を見せたかったカロルの……」
カロル「わああああっ!違う違う!そんなんじゃ!」
エステル「違うんです?」
カロル「そんな風に誤解されたの知ったら……絶対怒るもんな……」
エステル「カロル、頑張ってくださいね!私、応援しますから」
カロル「あ、うん……ありがとね。心強いや……」
ハルカ「……カロル、心強いって本心?」
カロル「き、訊かないで……」
ハルカ「そういう時は嘘を言えないのだね、ふむふむ」
カロル「……お願いだからボクで遊ぼうとしないで、ハルカ」
ハルカ「げ、バレてら」


竜使いについて
ユーリ「世の中にはおかしな趣味のやつも居たもんだな。魔導器(ブラスティア)を破壊して回るなんて」
エステル「趣味とは違うと思いますけど」
リタ「どこかで会ったら、あたしがぶっ飛ばしてやる」
カロル「何か、壊す理由があるんじゃない?」
リタ「訳があろうがなかろうが、魔導器を破壊するなんて、あたしが許さないのよ!」
カロル「わ〜、ちょ、首、首、首を!ぐへええ〜〜〜!だずげで、ユーリ……」
ユーリ「やだよ、面倒臭い。がきんちょ同士、仲良くしとけ」
カロル「アイナ……」
アイナ「大丈夫、死ぬ前には放してくれるはずだから」
カロル「はずって……エ、エステ」
ハルカ「エステル!ちょっといい?」
エステル「あ、はい……頑張ってください、カロル」
カロル「だ、だからハルカ……ボクで遊ばないで……」
ハルカ「てへ」
ユーリ「てへじゃねぇだろ」


騒動なしでは進まないのね
ユーリ「赤眼が出て来たり、騎士に追い回されたり、もうちょっとゆっくり旅を楽しめないもんかね」
カロル「それ、ユーリが言うんだ」
リタ「騎士に名前呼ばれてたのはあんたでしょ」
カロル「魔導士ともめたのはリタだけどね。そういえば、アイナだって手配書出てるのに呼ばれてなかったね」
アイナ「そうなんだよね……ユーリはフルネームで叫ばれてたのに」
ユーリ「あんなおっさんに大声で呼ばれまくるよりは、いいんじゃねぇの」
アイナ「よくないよ。賞金首ライフが楽しくない」
ハルカ「賞金首ライフって……アイナ、予想以上に楽しんでるね」
カロル「楽しまないでよ……この先ずっと追い回されるの嫌じゃないの?」
エステル「いいじゃないですか、みんな無事だったんですし、これはこれで楽しかったです」
ユーリ「追われんのを楽しめるなら、これからもエステルの旅は楽しい事だらけだな」
ハルカ「うわぁ、ユーリがキレイにまとめた。明日は雨か、それとも豪雨か……いっそ槍かな」
ユーリ「おい」
カロル「いやいやいや、話逸らさないでよ。全然まとまってないし、追っ手の問題とか全然片付いてないから!」


隠すのは苦手?
カロル「ねぇ、アイナ。さっきから黙ってるけど、どっか具合でも悪いの?」
エステル「アイナ、無理しないで辛いなら言ってください」
リタ「木陰で休憩でもしたらいいんじゃないの」
ユーリ「へぇ、アイナには優しいんだな」
リタ「う、うっさいわね。あたしは別に……!」
アイナ「あ、別に具合悪い訳じゃなくって」
ハルカ「さっきエステルが話してた作家さんの事、心当たりあるから考えてたんだよね」
アイナ「う、えぇ!?」
エステル「アイナ、そうなんです!?」
アイナ「う、あ、えっと、その」
リタ「まさかあんたがそうなんです、なんてオチじゃないわよね」
アイナ「………」
カロル「アイナ?」
アイナ「急がないとノール港が逃げちゃうよ!」
ハルカ「あ、誤魔化した」
ユーリ「いや、誤魔化せてねぇよ。ノール港は逃げねぇし」
ラピード「ワフゥ……」


決して認めない
ハルカ「アイナってすっごい強いんだね。もしかしたらユーリより強いんじゃない?」
アイナ「うん。ユーリにもフレンにも勝てると思うよ」
ユーリ「つーか勝負した事ねぇだろ」
アイナ「勝負も手合せもしてくれないじゃん、ユーリもフレンも。お陰でだいぶ鈍っちゃったけど勝てるよ、たぶん」
エステル「に、鈍っててあの強さですか」
リタ「さっきの戦い方見たら、どう考えてもアイナの方が強いでしょ」
ハルカ「ラピードはどっちが強いと思う?」
ラピード「……」
ハルカ「うん、ノーコメントって事はやっぱラピード的にもアイナの方が強いって事だね」
ラピード「……ワフ」
カロル「あ、今ラピード肯定した?ユーリ……自分の彼女より弱いって男としてどうなの」
ハルカ「いいんじゃない?」
ユーリ「いやダメだろ。つーか、なんでオレの方が弱い事前提になってんだよ。やってみなくちゃ、わかんねぇだろ?」
アイナ「じゃぁちょっと勝負してみようよ」
ユーリ「惚れた女相手に戦うとかマジ無理だ」
ハルカ「やっぱユーリのが弱いんじゃんか」
ユーリ「断じて違う!」

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