魔核(コア)奪還編

SKIT


ハルルの街で赤目発見
カロル「もしかして、さっきの赤目?騎士団以外にあんなのにも追われてるの?」
ユーリ「なんか変なのに好かれるみたいでね」
カロル「いったいこれまでに何をやってきたんだよ」
ユーリ「全部言うのは大変そうだな。なんせ二十一年分だ」
ハルカ「そりゃ大変だ。子どもの頃のユーリって結構悪ガキっぽいし、きっと二十一年生きても大して成長しなかったんだね」
ユーリ「なんか言ったか、お嬢さん」
ハルカ「なんでもありません、お兄さん!だからいい加減に頭掴むのやめてください!痛い痛い痛い!頭もげる!あたしの頭がスポーンってどっかに飛んでっちゃうよ!」
カロル「……仲いいね」
ハルカ「どこが!?ねぇ、どこが!?」


フレンって?
カロル「ねぇ、実際のところフレンって本当に誰なの?」
アイナ「ユーリと同じ下町育ちの融通の利かない騎士、ってとこかな。しかも趣味がユーリに小言を言う事、みたいな」
エステル「それで、アイナの事は妹のように想っているんですよね」
ハルカ「そんでもって金髪で碧眼、だっけ?」
ユーリ「そんなところだな」
カロル「へぇ、なんだ。ボクてっきりユーリとそのフレンって人でアイナを取り合ってるのかと思った」
アイナ「え」
ハルカ「ちょっとちょっとカロル君、ユーリのライバルはこのあたしだからね」
ユーリ「だな」
カロル「え!?なんで!?そっちなの!?」
ハルカ「こっちなの」


ハルルの花
エステル「なぜハルルの樹がハルルの樹と呼ばれるか、知ってます?」
ハルカ「え?ハルルって名前の樹だからじゃないの?」
エステル「ハルルの樹は、三つの樹が重なり合ってハルルの樹と言われているんです。それぞれはハルモネア、ルルリエ、ルーネンスといって、その頭文字を取ってハルルと言うそうですよ」
カロル「へぇ、そうなんだ」
ハルカ「エステル、博識だね」
ユーリ「つーか、カロルも知らなかったのかよ」
カロル「植物はボクの専門外だからね」


気のせいですか?
エステル「なんだか、昨日までよりもユーリと仲がよくなりましたね、ハルカ」
ハルカ「そう?」
カロル「そうだよ。戦ってても息ピッタリだよ。ユーリが避ける瞬間をわかってるみたいなタイミングで魔物に撃ち込むし」
ハルカ「あぁ、あれはね、秘密があるのだよ」
エステル「秘密、です?」
ハルカ「そう、秘密」
カロル「いったいどんな秘密!?」
ハルカ「魔物じゃなくて、ユーリを狙ってるんだよ。いやぁ、その方が魔物に当たるもんで。あはは!」
エステル「……気のせい、でしたね」
カロル「……そうだね」


気のせいじゃないよ
アイナ「ユーリ、ハルカと仲よくなったんだね」
ユーリ「は?何を根拠にそうなる」
アイナ「ただユーリとハルカを見ててそう思ったんだけど、違った?」
ユーリ「……違うっつーか」
アイナ「うん?」
ユーリ「昨日の夜、眠れねぇって言うから」
アイナ「うん」
ユーリ「ただひたすら、どれだけアイナを好きか、どっちの方がアイナを好きか言い合ってた」
アイナ「……それだけ?」
ユーリ「それだけ」
アイナ「そっか。ありがとう、ユーリ」
ユーリ「ん」
ハルカ「ちょーっとコラ無駄にイケメンロン毛!自分ばっかアイナにベタベタすんなー!!」
ユーリ「なんだとコラ」
ハルカ「わ、ちょ、馬鹿!頭掴むのは反則だって!痛い痛い痛い痛い!!」
アイナ「ふふ、やっぱり仲よくなってる」
ハルカ「なんでそうなるの!?」


アイナの職業
カロル「ねぇ、アイナってユーリと一緒に住んでて、しかも生活費はアイナが稼いでるんだよね?」
アイナ「そうだよ」
カロル「どうやってユーリを養ってるの?」
アイナ「下町にね、箒星っていう酒場兼宿屋さんがあるの。そこで働いてるんだけど、なんか看板娘って事になってるみたい。本業は小説家のつもりなんだけどね」
エステル「え!?アイナ、小説家だったんですか!?」
アイナ「う、うん、一応」
エステル「どうしてもっと早く言ってくれなかったんです!?」
ハルカ「すっごい食い付き方だね、エステル」
エステル「私、本を読むのが大好きなんです。アイナの書いた本も読んでみたいです!」
アイナ「お、落ち着いたらね」
エステル「本当です!?絶対ですよ、絶対ですからね!約束しましたからね!」
ハルカ「ほんとにハンパない食い付き方だ。ちょっと怖いぞ」

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