魔核(コア)奪還編

SKIT


クビになった
カロル「はぁ、なんで上手くいかないんだろう……クビ……クビって言われた……」
エステル「カロル、元気出してください」
カロル「もう元気出ないよ……ナンの言葉が胸に痛い」
ハルカ「この先は危ないから入って来るなって心配してくれてたんだから、仲直りするにも希望はあるんじゃないの?」
カロル「え!そ、そうかな!?……って、別にボクはナンの事はどうでもよくて」
ユーリ「問題はギルドの方って事だろ。そんなのわかってるよ」
カロル「う、うん、そう。ナンの事は全然関係ないから……ほんと、全然」
リタ「見てらんないわ」
ハルカ「なんか、痛々しいしね」
エステル「私、カロルを応援します!」
ハルカ「みんなで、ね」
エステル「はい!」


地震で崩れた感じじゃない
ハルカ「ここって地震で滅びたんじゃないんだろうね。建物の崩れた感じが少し違うと思う」
ユーリ「あぁ、オレも同じ事思ってた。別に揺れで家が崩れた様子もないし、ちとおかしいな」
カロル「え、じゃぁなんで滅びたの?」
エステル「どうでしょう……昔ここに住んでいた方に訊けば、わかるんじゃないでしょうか」
ハルカ「探すのかなり手間だけどねぇ」
リタ「けど別に、あたしらの目的には関係ないからどうでもいいんじゃないの?」
ユーリ「ま、そうなんだがな」
ハルカ「ちょっと気になっちゃうんだよねぇ」
ユーリ「そうなんだよな……」


魔狩りの剣って?
エステル「魔狩りの剣とは、主に何をするギルドなんです?」
カロル「その名の通り、魔物狩りを生業にしてるんだ」
ユーリ「ま、結界の外に出る時には、魔物がどうしても邪魔だからな。商売は繁盛してそうだな」
カロル「うん、依頼も確かにたくさん受けるよ。でも、魔狩りの剣は依頼があるから、魔物を倒してるんじゃない。魔物は悪。だから、その悪を討つ。それが魔狩りの剣の信念なんだ」
ユーリ「ふーん、魔物は悪……ね」
ハルカ「それって、もしかして魔物になんか恨みでもあるの?」
カロル「うん、そういう人が集まってるのは事実だよ。ナンも子どもの頃に目の前で両親を殺されてるから」
ハルカ「なるほど、それでね……今も子どもだとは思うけど」
ユーリ「魔物が憎くもなるわな」
ハルカ「さっきから珍しく意見が合うね、嫌になっちゃう」
ユーリ「これまた奇遇だな、オレもだよ。どうせ、意見が合うならアイナがいいとでも思ってんだろ」
ハルカ「まぁね、でもそれはユーリもでしょ」
ユーリ「まぁな」
リタ「……なんだかんだ言って結局仲いいわよね、あんたら」
ハルカ「心外だな、それ!」


ハルカ流の心遣い
カロル「そういえばアイナってフェイタルストライク出来るの?」
アイナ「まぁ、一応ね。あんまりやらないけど」
カロル「どうして?」
ハルカ「だってフェイシャルスクラブって相手に上手く攻撃を加える事で敵の体勢を崩して、その隙に術技を打ち込んだ後に相手に止めの一発を打ち込む戦闘技術の事でしょ?ほぼ一撃で倒したら必要ないでしょ、フェイシャルスクラブ」
カロル「ハルカ……だから、フェイタルストライクだってば」
アイナ「あはは、ハルカってばさっきからわざと間違えてるでしょ」
カロル「え、そうなの?」
ハルカ「アイナ、それ言ったら恥ずかしいやつだよ!あたしが!」
アイナ「わかってるって、ふふ。私が落ち込んでるからだよね」
ハルカ「それも言ったら恥ずかしいやつだよ!あたしが!」
アイナ「知ってる」
ハルカ「超いい笑顔!なんかアイナが意地悪だ!」
ユーリ「……仲いいな、あいつら。雰囲気的に、会話に入っていけねぇ」
カロル「だよね、ボクもそう思う」


街は迷路状態
エステル「ふむふむ……」
カロル「相変わらず、エステルは街に興味津々だね」
ハルカ「すごい集中力だよね。あたしなんか頑張ってても道迷うのに」
アイナ「ハルカ、方向音痴だもんね」
ハルカ「アイナもでしょ」
アイナ「まぁね」
ユーリ「特にお前らは頼むから、はぐれるのだけは勘弁しろよ」
ハルカ「あたしら迷ってんのに動く習性まであるからね」
リタ「迷ったならじっとしてなさいよ……探してあげるから」
ハルカ「マジか!じゃぁ、たぶんじっとしてるわ」
リタ「たぶんじゃなくて、ほんとにじっとしてなさいよ……」
ユーリ「おーいエステル、お前もはぐれるなよ!」
エステル「大丈夫ですー!」
ユーリ「建物はボロボロだし、外は草がボーボーだし、実際歩いてみると結構ややこしいからな」
アイナ「ある程度は全体が見えているのに、道が閉ざされてたりしてるからね」
カロル「建物の中通ったりしないといけないしね。って、あれ……!?エステル!?」
エステル「すみません、横道それちゃいました」
ユーリ「はぐれるなって言ったばっかりなのにな」
リタ「あんたらも気を付けてよ、迷い易いんだから」



バカドラとか
リタ「今度会ったら絶対にあたしの魔術でぶっ飛ばしてやるんだから」
ユーリ「あいつ、何怒ってんだ?」
ハルカ「え、ユーリわかんないの?」
ユーリ「わかんねぇよ。おっさんの事か?」
ハルカ「いやいや、あの愉快で不愉快なおっさんの事でなくてね」
エステル「竜騎士を取り逃したのが悔しかったみたいですよ」
ユーリ「あぁ、竜騎士ね……カルボクラムの地下にまで魔導器(ブラスティア)を壊しに来るとは思わなかったな。あれはあれで、すげぇ執念だよ」
ハルカ「てか、竜騎士って呼び方してるの聞かれたらこっちにも矛先向くんじゃないの?リタにとってはバカドラだし」
ユーリ「だな。とりあえず、そっとしとくか」
リタ「次こそは、あたしがこの手で息の根を止める!」
エステル「リタの執念もすごそうですね……」
ハルカ「そうだね……」


見たかった顔
ハルカ「はぁ……でも、こればっかりはなぁ」
カロル「どうしたの?ハルカ」
ハルカ「いや、ただね……あたしもユーリくらい身長があったらアイナをおんぶ出来たのになって。力には自信あるけど、あたしの身長だとアイナに負担かかるでしょ?」
リタ「って、なんであんたが、おんぶしたがるのよ」
ハルカ「ユーリが悔しがるじゃん」
カロル「……それだけ?」
ハルカ「それが楽しいのではないか、カロル君よ。ユーリが悔しがるんだよ?」
リタ「……ちょっと興味あるわね」
エステル「私も、少し興味があります。先程アイナが強請った時、言葉に詰まった感じがありましたけど……ユーリはあまり感情が表に出ないと言いますか、わかり難い所がありますから」
ハルカ「そうかな?でも、さっきのおねだりの時に耳真っ赤になってたからね」
カロル「え、そうなの!?」
ハルカ「だってさっきのアイナってば、らしくなかったけど子どもっぽくて可愛かったでしょ?」
エステル「はい。流石のユーリも、やはりアイナには弱いんですね」
ハルカ「いろんな意味でね」

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