それは、市丸が藍染と共に裏切った後、すぐだった。




「日番谷隊長、」




松本は執務室の床の上で、正座をして頭を下げた。俗に言う、土下座。

謝罪と、決意を込めて土下座していた。




「それが、お前の答えか」

「はい。」




ゆっくり、顔を上げた松本の青い目と視線がかち合う。





「もう、決めました。」




向日葵の髪が、肩から滑り落ちた。艶やかで柔らかなそれは、俺の大嫌いな銀髪が嬉しそうに笑って指に絡めていたのを思い出す。



「そうか」

「…失礼します」




立ち上がった松本は、また頭を下げて執務室から出た。








――――十番隊の副官章を置いて。




20120430