01.出会ったのは出逢う前の君。
















―――嗚呼、頭が痛い。




「君、うちの生徒? にしては見ない顔だね、転校生なんて聞いてないしな。そもそも君が高校生には見えない。誰かの兄弟かな?――――何者?」




上から見下したように見下げる赤い目。

やたら懐かしい容姿だな、と戸惑いが100パーセントを占める脳内。ただしなるべく顔には出さない。


ふと、ガラスに映る自分が見えて、また内心戸惑う。

なんだこれ、夢?



赤い目に怯むことなく、真っ直ぐ見つめる。



「…知らない人には名前教えちゃ駄目なんだよ、お兄ちゃん?」



ガラスに映ったのは、小学校高学年くらいにしか見えない自分の姿。

私の記憶では、高校生の時の容姿だ。









01.出会ったのは出逢う前の君







―――――さて。





目の前の臨也は、
何故、高校生の時の姿なのか。









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