荷物をまとめてみれば少ないこと。箱2つ分しかなかった。
(私も女なんだからお洒落な服くらい持ってないとなぁ)
あぁ、最後に私服を着たのはいつだったか。最近はこの着慣れた制服ばかり。
ため息をひとつついて箱を閉じ部屋を出る。
明日から班が変わるということは今日挨拶に行かなくては。
ついでに新しい隊員にも会いたい。
(あれ…。そういえばリヴァイ班って…)
先日の壁外調査でかなりの死傷者があったって聞いた。
そりゃ最前線だし死傷者が居ないほうが珍しいのだけれど。班としての機能が持てないほど死傷者が居たのかもしれない。
(だから補欠で呼ばれたのかも)
きっとそうだと1人で納得していると目的地に着いていた
(リヴァイ兵長か…緊張するなぁ)
2回ノックをすれば奥から低い声が聞こえた。
「失礼します」
光が漏れている部屋。
中央には一際目立つ大きな机があり、彼はそこに座っていた。
「明日より班に加わるリアです。よろしくお願いします」
きっちりと敬礼をして挨拶をしたが彼は手に持っている資料から目を離さない
「あの…」
無言に耐えられなくて声をかけるとリヴァイ兵長の目がこちらを捕らえた
(ひっ…!)
怖い!鋭い目付き!眉間の皺!
どう見ても機嫌が悪いと思います!ハンジ分隊長!
「…前日に挨拶とは、舐めてるのか?」
「え?」
「辞令は随分前から出てるはずだ」
「す、すみません…」
今日さっき聞いたばかりですが!!と叫びたい。叫べない。
「まぁいい。部屋のものは好きに使え」
「はい」
「あの眼鏡はどうだったか知らねぇが、ここでは汚す事は許さない。いいな」
「…はい」
そういえば彼は潔癖症だった。
これからやっていけるだろうかと心配になる。
「あ、あの。他の方は…」
「居ない」
「え?」
「今は俺とお前だけだ」
な、なんということでしょうか!!!
リヴァイ兵長はまた手元にある資料に目を落とす
(全員がこないだの壁外で亡くなった?そんなことないでしょう!?)
そんな事になっていればもっと噂が広まる。人類最強以外は死亡、と。次の壁外に間に合わない怪我でもみんな負ったのだろうか。
(とりあえず、辛いです!!)
「いつまで突っ立ってるつもりだ。用が済んだらさっさと自分のする事をしろ」
「はっ、はいっ!」
私は急いで返事をして、自分の異動手続きのため部屋を出た
行き先不安
(兵長めちゃこわっ!)
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