「あ、リア異動になったから」
今日はとてもいい天気でした。
青空が高くて、空気も澄んでいてなんだかいい事がありそうな予感もしてました。
るんるんで出来上がったばかりの壁外調査の書類を私の上司であるハンジ分隊長に渡しに来たときの第一声がこれです。
「い、異動、ですか??」
「うん!」
人数が少ない隊に異動になるのでしょうか?異動自体は珍しい事でもないですし。
ただ、なぜ私なのか。
自分で言のもなんですがハンジ分隊長には気に入られていると思っていた。何度も一緒に壁外に行っているし、信頼もしあっている。
その証拠に私を見つける度に声をかけて下さるし、巨人の実験にだって何度かご一緒させていただいた。
(だから、ちょっと残念)
「そんな悲しそうな顔をしないでよ。私だってリアを渡したくないんだ!!」
「ではなぜ?」
「エルヴィン直々に頼まれちゃって。あー、リアみたいな優秀な部下が居なくなったら私ダメになりそうだよ」
「団長がですか!?」
「うん。そうそう」
なら逆らえないなぁ、と独り言を呟き私はハンジ分隊長に書類を渡した。
「いつから異動でしょうか」
「明日から」
「明日ですか!?」
「残りの仕事は私達が分担するよ。リアは荷物をまとめて?」
「……私、なにかしましたか?」
いくら何でも今日までだなんて。最低でも1週間くらい前に通知が来るのが普通だ。
いきなりの異動には何か不都合があるから、と考えてしまう。
「なにもしてないよ?君は優秀だ。ただ……」
「ただ…?」
「…いや。守ってやれなくてすまなかった」
「分隊長…!そこまで私の事を…!」
優しい上司に恵まれて私は感激です!いくら周りからお前の所の分隊長変わってるな、とか大変だな、と哀れみの目で見られてきても貴方を信じてきたかいがありました!
「ハンジ分隊長、私、他の隊に異動しても分隊長の部下ですから!!」
「リア…!!」
明日から全く知らないかもしれない団員とまた一から信頼関係を築かなくてはいけない。なんだか少し不安ですけど、頑張ります!
(大丈夫。また優しい上司に巡り合えるわっ!)
「そういえばハンジ分隊長、私は次どの班へ??」
「あぁ、リヴァイ班だよ」
「そうですか!リヴァ……リヴァイ班!?うそ!?」
目をこれでもかと言うほど目を開いてしまう
だってだって!
「ハンジ分隊長!嘘だと言ってください!無理です!」
「だからすまなかったって言ったろー?」
「だだだためです!私無理です!ハンジ分隊長も知ってるはずです!私怖いもの苦手なんですよ!」
「リア、リヴァイは人間だよ?巨人より怖くないだろ?」
「巨人をいとも簡単に倒す人間ですよ!怖いです!!」
「ははは!リアは面白いなぁ」
「ハンジ分隊長から団長にもう一度考え直すように言ってください〜〜!」
「エルヴィンは一度決定した事を覆すような男じゃないよ」
にこやかに笑う分隊長が恨めしい。
リヴァイ班と言えば誰もが優秀な人材が集まる班だと答えるだろう。あの班に入りたいと目を輝かす団員も見たことがある。
だが裏をかえせば一番危険な配置につく班だ。
(私には死刑宣告にしか思えない!)
「リア。腹を括るんだ」
ぽん、と手を肩に置いたハンジ分隊長。
あぁ、そのまま投げ飛ばしてしまいたい。
(でも、ハンジ分隊長は悪くないよね。団長の指示だもん)
「今までお世話になりました。行ってきます」
異動
(私、これからやっていけるかな)
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