私の失恋は、ただの勘違いだったっていうわけで。
「ま、そんな顔すんなって」
「オルオ…」
話を聞いてくれた皆。
ぽん、と私の肩に手を置いたオルオは苦笑しながら慰めてくれた
「良かったわね!リア!」
「ペトラ……」
勝手に嫉妬してごめん、とも言えず私はペトラの温かい手に握られたまま顔を落とした
「こいつ、お前が俺に告白したと勘違いしてたんだと」
「わ、私が兵長にですか!?ってリアあの時居たの!?」
「うっ、ご、ごめん!盗み聞きするつもりは無かったんだけど…」
「……まぁ、結果オーライじゃない?私のおかげですね!兵長!」
珍しく兵長が少し笑って、そうだなと言えばペトラは笑った
「私の親友、大切にしてくださいよ?」
「当たり前だ」
*******************
(俺の女って事は、私は兵長の物になったってこと??)
それでいいんだよね??
「兵長」
帰り道。みんなは前に横一列に並んで話をしながら歩く。
私と兵長だけは少し後ろから並んで歩いていた
「私、兵長の、物に、なりました?」
おずおずと聞いてみれば兵長は、はぁ?と苦顔をして私を見た
「さっきの聞いてなかったのか?」
「あの…その……」
そうではなくて、なんというかもっときちんと言って欲しいといいますか。
なんて言えるわけなく、私は口をパクパク動かす。
「……」
「……」
いや、兵長から甘い言葉をもらおうと思った私がおかしいのだ。兵長はそんな事言わない。たぶん。
(だったら…)
ほんの少しだけ先を歩く兵長。
私は彼の袖をクイッと引っ張る
「兵長」
「どうした」
先を歩くみんなと少し距離を取る
「わ、私、兵長の事が好――‐」
好き、そう言おうと思ったとき兵長の人差し指が私の唇に触れた。
「俺の物になるのは嫌か?」
「い、嫌ではな、いです」
「そうか。言葉が欲しいならいくらでも後で言ってやる」
だから、と言って兵長は前を向いた。私もつられて前を向けば前を歩く皆がこちらを見ていた
「なぁ、リアよ。」
「は、はひっ」
「皆の前で愛をささやくのも良いが、まずはお前だけに聞かせてやると言ってるんだ。待てるな?」
(あぁ、なんだかいつもの兵長ではないみたい)
これが三十路の余裕ってやつなのだろうか
顔が熱い。
きっと今私は耳まで真っ赤なんだと思う。
「ずっと待ってたんです。待てますよ」
悔しくてちょっとだけ大人びた発言。
「これからもずっと傍に」
兵長って潔癖症なんです。
兵長って変なカップの持ち方するんです。
兵長って意外に小柄なんです。
でも、兵長ってとても部下想いで、誰よりも強くて、誰よりも私は彼を信頼しています。
たまに見せるあの優しすぎる眼差しに恋をしました。
だからこれからも彼の背中を守ろうと思います。
守りたい背中
(私は兵長の手を取って走る)
(兵長はあきれたようにため息を一つ吐いた後少しだけ笑った)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -