朝起きれば隣に彼は居なくて、私は高く昇った太陽に驚いて急いで部屋にもどり身支度をした。
「寝坊とはいい度胸だな」
下に降りれば皆が居て、もちろんリヴァイ兵長も居た。
(起こしてくれればいいのに)
そんなに甘くないか、と一人考えながら私は立体起動の手入れを始めた。
今日の午後は特に何もなかった。珍しくリヴァイ兵長から指示が無かったのだ。昨日は掃除をしていたが今日は芋洗いでもしようかと思う。
「エーレンっ」
「リアさん」
丸太に座っているエレンに声をかけた。今日の芋洗いは彼の担当だ。芋洗いだけでなく今日料理をするのが担当なのだが。
「手伝ってあげる」
「い、いや、大丈夫です!自分の仕事なので!」
エレンは芋を片手に断るが私は樽の中から芋を取った
「いいよ、暇なんだし」
そういえば困ったように笑ってありがとうございます、と彼は呟いた
「昨日、雷凄かったですね」
「本当よ。あんなに酷いの久しぶり」
「寝れました?」
「んー、途中から寝たわ」
昨日の事を思い出してしまいエレンから目を離す
「エレンは寝れた?」
「自分はぐっすり寝れました」
雷はそんなに気にならなかったと笑う彼。地下で寝ているから音が小さかったのかもしれない。
そのことにはなんだか触れたくなくて、そっかとしか答えられなかった
「あ、リアさん顔汚れてますよ」
「え?嘘」
土のついた芋を触っていたからだろう。顔にも土がついてしまったようだ。
エレンが自分の顔を指差して教えてくれたため私は服の裾で顔をこすった
「違います、こっちですよ」
結局エレンが自身の服で拭いてくれた。
「服汚れちゃうよ?」
「かまいません。どうせもう汚れてますから」
「ごめんね」
「リアさんってなんだか歳上に見えないです」
少し笑ったエレンに私も笑顔になる。
「お姉ちゃんって呼んでくれてもいいんだよ」
「ははっ」
エレンはその問いに答える事は無かった。
顔からエレンの手が離れたときだ。
「え?」
シュッと勢い良く顔の傍を何かが一瞬横切った
「エレン」
「へ、兵長!」
声の先を見ればすでに立体起動を身につけている兵長がいて、兵長の視線の先を見れば、アンカーと共にあるはずの刃が地面に刺さっていた
「あ、危ないじゃないですか!」
「手が滑った」
「怪我でもしたら…!」
私が抗議に出ようと立ち上がるとエレンが止めた
「とりあえず、これ」
地面に刺さっている刃を取り兵長に渡す
「エレンよ…。これから訓練を付けてやる」
そう言う兵長の顔はなんだかいらついているように見えた
準備が終わったらすぐに来い。そう言い残して兵長は歩いていった
「リアさん、俺今日で死ぬかもしれません」
「えー、まさか!」
兵長直々に教えてもらえるなんて中々ないよ!よかったね!と笑顔で話すリアを見てエレンはため息しかでなかった。
ため息の行方
(私もついていってあげるから!)
(いや、もうこれ以上は…!)
(え?)
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