あれから5年がたった。
「兵長」
「あぁ、嫌な予感がするな」
私たちは壁外に来ていた。
馬を走らせる。
私はあの日生き延びた。
ウォール・マリアがいとも簡単に壊されるのを見たのだ。
「………」
「リア、俺の補佐をしろ」
「はい」
つい先程、巨人が北上していると報告があった。
5年前と同じ。壁が壊された可能性がある、と。
「っ!兵長、壁がっ!」
「ちっ、遅かったか」
見えてきた光景は壁に群がる巨人達
だが様子がおかしい
「中に、入らないんでしょうか…」
「……」
壁が壊されたと私たちは思っていた。それなのに巨人は壁内に入らない
「え…?」
「立体起動に移れ!壁を昇るぞ!」
壁には確かに壊された後があった。だが、穴は開いていない
私はアンカーを構え壁を昇る
「ど、どういう事でしょうか」
「さぁな」
昇りきったときだった。
異様な光景が目に入る
「な、に、あれ」
巨人のそばに居る兵士の姿だ。
「いくぞ」
「はいっ」
私は兵長とともにそこに向かう
近くにくる巨人を倒し、兵長のもとに行かないようにした
煙のせいで兵長が見えなくなる。
(何がどうなってるの…)
*****************
詳しい説明があったのは暫くしてからだった。
私たちは地下に続く階段を降りる
「人間が巨人になるなんてありえるんですか?」
「さぁな」
「私はまだ信じられません」
湿った地下。
暗いし、不気味だ。
しかも巨人になる男が居るらしい。
(怖いよぉ…)
「リア、あんまり近づくな。歩きづらいだろ」
兵長の後ろにぴったりとつく私。
「でも、兵長、暗いんです」
背中の服を少し掴むとリヴァイ兵長は私の方を向いた
「…明かりがついてるだろ」
「少ないです…しかもこれからよくわからない子に会うんですよ?」
「牢屋に入ってる」
「壊すかもしれないです」
何だかんだで5年以上兵長と一緒に居ると彼にくちごたえもできるようになった。
何度も壁外に一緒に行った為彼の行動も読めるようになった。…気がする。
そして、
「俺のそばにいればいい」
「………」
止まった兵長は私の頭に手をおいた
「離れるな。命令だ」
「は、はい」
とても優しい事も実証済みだ。
(リヴァイ兵長ってたまにさらっと恥ずかしい事言うのよね)
「すまないが、ここでいちゃつくのはやめてくれないかな?」
前を歩いていた団長が頬を掻きながら私たちに向かって笑う
「い、いちゃついてなんか無いですよ!」
「怖がる部下を安心させただけだ」
「リアも綺麗になった。他の男が黙ってないだろ」
「そ、そそそそんなこと無いです!あり得ないです!」
「……」
「リヴァイ、そんなに睨まないでくれ」
「ちっ、バカな話ししてねぇで早く進め」
エルヴィン団長にあれだけ睨みをきかせられる兵長は本当に大物だと思う。
そんな事を話していると木の扉が現われた。
若い兵士が扉を開けてくれる。
「この子、ですか?」
中には牢屋があり、その中央には大きなベットがあった。
「普通の男の子じゃないですか」
「あぁ。だがこいつが間違いなく―――‐」
巨人に、なる
近くで見ようと一歩近づくと兵長が手を掴んだ
「さっきの話を聞いてなかったのか?」
「すみません…(あれ本気だったんだ)」
目を開けない男の子。
寝てるのだろう。薄いシーツが上下に動いている
不思議な光景
(普通の人間じゃない)
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