少女の前髪
「……サラ、こっちに来い」
「はい」
手招きすれば彼女はすんなり言うことを聞いた
「座れ」
「はい」
椅子に座らせて首周りを布で覆う
「てるてる坊主みたいだな」
クスリ、とエルヴィンが笑うとサラは首を傾げた
「今から髪を切る。動くんじゃねぇぞ」
「なぜですか」
「邪魔だろ」
「邪魔じゃないです」
「鬱陶しいんだよ。わかったら動くな。うまく切れねぇだろうが」
納得していないような顔をしていたがサラはおとなしくしている。
(ずいぶんとリヴァイの言うことをきくな)
はさみを構えたリヴァイ。
前髪に手をかけた。
「リヴァイ、女の子だ。可愛くな」
「難しい命令だな」
「サラも可愛くなりたいだろう?」
「かわいい?」
「あぁ。そうだ今度町に出掛けよう」
よく顔を見れば可愛らしい顔をしている。
目は飴玉のようにキラキラくりくりしているし、唇もぽってり可愛らしい。
初めて会ったときより血色もよくなったし、少しだけ肉がついた頬は柔らかそうだ。
「ワンピースでも着て―‐なんだ、リヴァイ」
リヴァイからの視線に気付き声をかける。
「エルヴィン、まさかお前に幼女趣味があるとはな」
「ははっ、娘みたいなものだよ。それより曲がってないか?」
「………」
確かに切った前髪は斜めになっていた。
「……もう少し切るか」
「サラ、今度スカートを持ってくるよ」
「スカート?私今の格好でいいです」
サラはシャツにズボンとラフな格好だ。
「せっかく壁内に戻れたんだ。お洒落くらいしたいだろ」
わからないというようにまたサラは首を傾げた時だ。
ジョキッ。
大きな嫌な音が聞こえた。
「……サラ、動くなと言っただろ」
「……これは、まずいな」
整え始めた前髪だったが、サラが動いたためまた斜めになってしまった
当の本人は見えていないため目だけを上に動かした
「…………」
「…………とりあえず、斜めは可哀相だろ」
はぁ、二人ため息を付き合う
「もう少し切るか…」
少女の前髪
(次の日から極端に短い前髪のサラは注目のまとだった)
(ぶふぉ!サラどうしたんだい!?前髪みじかっ!!)
(リヴァイさんが切ってくれました)
(不器用すぎだよ!!!)

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