忠実な彼女
(どいつもこいつも…)
チッと舌打ちを1つこぼしてリヴァイはソファーに座り直した
「こっちの方がいいんじゃない?」
「いや、それは地味すぎる!サラにはこっちが似合うよ!絶対!」
目の前ではハンジとペトラが色とりどりの服を持って討論している。
絨毯に座り、空いているソファーにかけられている服を取っては投げ取っては投げているのを見てリヴァイの眉間の皺が増えた。
「サラちゃんはどっちが好き?」
真ん中に立たされているサラがペトラの質問に困ったように俯いた
「…私、この服でいい」
「「それはダメ」」
年頃の女の子が短パンにシャツしか着ないなんて!とペトラは力説しはじめた。
サラはまた困ったように眉を寄せてリヴァイを見る
それに気が付いたリヴァイが面倒くさそうに口を開く
「そいつがいいって言ってんだ。もういいだろ」
「リヴァイ!君には乙女の気持ちがわからないのかい!?わからないよね!わからないに決まってる!だってわかったら、ぶふっ!爆笑もの「黙れくそ眼鏡」いたぁああ!!」
机にあったペンを投げれば額に命中した。
ハンジは痛いと抗議するがリヴァイは対して興味も無さそうにため息だけをついた。
今朝はやくにエルヴィンから声がかかった。
“サラを連れてきてくれ”
何事かと思ってすぐに向かったが着いたら後悔した。
部屋には小さな服に溢れていたのだ。そして中にはペトラとハンジがすでに居て、リヴァイ達を見た瞬間顔を綻ばせた。
小さな服はすぐにサラの為に用意された物だとわかったし、これから起こるだろう事もわかりリヴァイは舌打ちをしたのだった。
「エルヴィン、お前からも何か言え」
「まったく仕方ないな」
今まで書面を見ていたエルヴィンがペンを置いて近づいてくる
「いい加減にしなさい。サラにはこれが似合う」
1つ服を取りサラに合わせる
「てめぇ……」
そうじゃねぇだろ、と言おうとしたらハンジの声に消された
「エルヴィン正気なのかい!?趣味わるっ!」
「団長、私もそれは無いと思います」
「団長命令だ、これに決めなさい」
「「職権乱用!!!」」
どいつもこいつも甘やかしやがって…いや、こいつ達が一番楽しんでるのか?と考えているとサラと目が合った
「……その緑のやつにしておけ」
顎で支持すればサラはすぐに動いて床に置いてあった緑のワンピースを手に取った
白襟で、裾にレースがあしらってある
「はい」
大事そうにそれを抱えてサラは三人の間を擦り抜けてリヴァイのもとに来た
「ったく。もういいだろ」
隣に来たサラを確認してドアへと向かう
「サラちゃんって…」
二人はすぐに部屋から居なくなった。残った三人は互いに顔を見合う
「兵長の言葉に忠実なんですね」
「将来が心配だよ、まったく。リヴァイに任せたの間違いだったんじゃない?」
「いや、そんなことないさ」
忠実な彼女
(サラも自分の意見くらい言え)
(言った。このままでいいって)
(………)

[ 12/15 ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -