初めてのお留守番
「お仕事?」
「あぁ。しばらく留守にする」
暗い部屋。
ベットの脇にあるランプだけが二人を照らした
「どれくらいですか?」
「さぁな。」
「………どこ行くんですか?」
「お前が知る必要はない」
サラは手に持っていた枕をギュッと抱き締めた
「…留守の間もいつも通り過ごせばいい」
リヴァイがベットに入ってきてギシリと軋んだ音が響く
「……はい」
二人で横になり目をつぶる
どこに行くのだろうかとサラは気になったがリヴァイは教えてくれる気は無いようだ。
サラもそれ以上は聞かないまま夜はふけていった
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ゆっくりと頭が覚醒していく。
今は何時だろうか、もう朝だろうかと考えて目を開けた
「あ………」
隣を見ればすでにリヴァイは居なかった
(リヴァイさん、居ない)
このままベットに居るわけにもいかずサラは着替えるために移動した
着替えを済ませればお腹が小さく鳴いた
(ご飯食べたい)
外に出て食堂までの道程を歩く。壁ぎわをゆっくりと進むサラ。
誰も居ない静かな廊下なのにサラはとても不安だった。
いつも自分の前を歩くリヴァイが居ないからだ。
(いつ仕事行っちゃったのかなぁ)
いってらっしゃいって言いたかったな、と心の隅で呟いているとやっと食堂についた。
時間が中途半端だったからか閑散としていた。
「あ、あの」
いつもリヴァイが頼んでいるように厨房に居る人に声をかける
「おや…今日は一人かい?お嬢ちゃん」
少しふくよかな男性がサラに気付き近寄ってくる
「り、リヴァイさん、お仕事なの…」
「あぁ、そうか。壁外に行くのは今日だったね」
「え……」
サラは目を開いた。
この人は今壁外と言った。
リヴァイさんは壁外調査に向かったの?
「へ、壁外って、いつ帰ってくるの?」
「さぁ、はやいときは1日で帰ってくるし、長いときは1週間以上かなぁ」
それを聞いてサラはふらふらとしだす
「あ、ちょっと」
急にサラは来た道を走りだした。後ろでおじさんが声をかけたが気にせずに走り続ける
(なんで…)
なんで言ってくれなかったのだろう。
私に言えば着いていくと言からだろうか。
でもリヴァイさん言ってたじゃない、壁外は危険だって。危ないって言ってたじゃない。
部屋につきドアを閉めた
そのままベットに飛び込む
「リヴァイさん、」
もし帰ってこなかったらどうしよう。昨日が最後になってしまったらどうしよう。
急に不安になってサラはギュッと服を握る
「はやく、かえってきて」
まだ1日もたっていない。彼が居なくなってから。
でもどうしようもなく不安なのだ。
初めてのお留守番
(リヴァイさん、はやく、はやく)

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