風邪を引くから帰ろう、とリヴァイさんは言ったけど私はその場から動けなかった
(違う世界に来た?そんなとこありえる?)
でも事実なのだ。これは夢ではない。
あの浮遊感も、風の冷たさも全部が本物だった。
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(結局またここに戻って来てしまった…)
ぼーっと床を見る
でも仕方なかったのだ。
だって、知らない世界に来たのかもしれないんだよ??
会社に帰る帰らないの問題じゃなくなった。
そしたら行く場所なんてないし…
(結局私、彼を騙してるだけ…)
急に申し訳なくなった。
彼――‐リヴァイさんは私が恋人だと勘違いしてる。
でも私は彼を恋愛対象としてなんか見ないし…
「どうした?」
ドアを開けて彼が入ってきた。
そしてポケットから小さな鍵を出してカチャリと音を鳴らせた
(前言撤回…!!!)
彼は私を閉じ込めている!少しくらいの嘘ならいいだろう!
「エリ、変な顔するな。戻らなくなるぞ」
「へ、変な顔なんてしてません!」
「そうか?」
「うっ!」
ふに、と頬をつねられる。
柔く伸びるそれを見てリヴァイは薄く笑った
「よかった」
「え?」
「俺から逃げるな。ここから出ようと思うな」
「なに、それ…」
「お前が思っているよりも外は危ない」
そりゃ、あの化け物…巨人?がいるんだから安全ではないだろう。
(でも言い方が…)
彼の目が私を捕えて放さない。
なんでもわかっているような目だ。
「リヴァイさん、私にいろいろ教えてください。私は何もわからないから」
「あぁ。まずは……エリは俺をさん付けで呼ばない」
「リヴァイ?」
「……そうだ」
彼の手が伸びてきて私の頭を撫でる。
名前を呼べば少し嬉しそうにしてた。表情はあまり変わらないけれど
(とりあえず、考えるのも疲れたし……)
一時休戦
(休みをもらったと思ってすこし休もう)
(私も随分肝が座ったなぁ)
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