「あ、あなたの部屋の割に、可愛らしいから、不思議に思って…」
じりじりと近づく彼から距離を取ろうと私も動く。
テーブルが丸くてよかった。
少しずつ私は彼と一定の距離を置いてテーブルを回る
ちらりとドアを見れば少しだけ開いていた
(やった…!!)
これとないチャンスだ。
きっと手に食事を持っていたから閉められなかったのだろう
(走れば…なんとか…)
「確かにここは俺の部屋だ。だが、エリの為に用意した部屋でもある」
「それは……何のために……」
「エリと暮らすためだ」
「鍵までつけて?」
「危ないからな」
はぁ、とため息をついた彼。目を私から放した
(いまだ…!!)
私は勢い良くドアまで走る。
ドアのぶを握ってドアを開けた
(逃げれた――‐!!)
「行くなら行けばいい」
「え?」
その言葉を聞いて私は足を止めた
「ただし、外にはヤツが居る。俺はもう助けない」
「……」
「それでもいいなら行けばいい」
真っすぐな目が私をとらえた。
外には化け物がいる?
この目で見るまでは本当に居るのかはわからない。
でももし居たとして、私はアレを倒せない。
(確かにあの時私は彼に助けられた)
(次は助けてもらえない)
(でもここに居たら監禁されてる事になるわ)
(食事も出してくれる、暴力も、今のところ、ない)
リヴァイさんが近づいてくる
「エリ、俺はお前がアレに食われるのを見たくない。アレは普通の人間じゃ倒せねぇ」
「こ、こないでっ」
「ここに居れば飯も食える。アレも来ない。何が不満なんだ」
「か、会社に帰りたいの…仕事が残ってるから―‐」
はっと口を押さえた。
私は今エリさんなんだ。彼女が会社に行っていたのか私は知らない
「外の空気が吸いたいっ」
「…………」
「ここは閉鎖的だから…外に出て、空気が吸いたいの」
「そうか……なら」
嘘をついた。
でもつかなくてはいけない嘘だ。
リヴァイさんの手が私の手をつかむ
「夜になったらここから出してやる」
「夜…?」
「巨人は夜に行動しない」
「!」
「だからそれまでここにいろ」
アレが居ないならそれに越したことはない。それに……
(暗いほうが逃げやすい)
私はドアのぶから手を離した
「いい子だ」
そして今度はリヴァイさんの手によってドアは閉められた
閉まるドア
(今夜が勝負よ…)
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