『誰か居るのかい?聞こえるかい??』
またドアのぶを数回まわされるが、鍵が掛かっているためドアは開かない
「だ、誰ですか?」
『!!』
ドアに近づき声をかける
『君、誰だい?鍵を開けてくれないかな?』
「鍵は開けられません」
嘘ではない。私は鍵を持っていない
『私は、ハンジ・ゾエ。君は?』
「エリです」
『……エリ、だって??』
声が低くなる。
どうしたのだろうか。
『君は、誰だっ』
「えっ」
『変な冗談はよしてくれ!』
ダンッと扉が叩かれて私は肩を揺らした
「じょ、冗談なんかじゃないですっ」
『確かに声はそっくりだ…だけど……そんなバカな事…』
ぶつぶつと言い始めたドアごしの相手。
私にとってはリヴァイ以外の話相手だ。このチャンスを無駄になんかできない。
「あのっ、あなたも兵士なんですか?」
『……あぁ、そうだよ。とりあえず、君をここから出してあげなくちゃね』
「!―‐ありがとうございます!」
今度は鍵穴を探るような金属音がドアごしに聞こえてくる

『君は本当にエリって名前なの?女の子?』
「えっ、あ、はい。そうです。名前に嘘は無いですし、女です」
『いつからここに?』
「…わかりません。最初は気絶してたし……数えてもいませんでしたから」
『気絶??どういう事?』
「私、巨人に会って……気絶したんです」
『……ということは君は壁外に居たってことかい?報告書には君の事は記載されて居なかったけど』
「くわしくどこに居たかはわからないです。あ、でもリヴァイに聞いてくれたらわかるかも。私リヴァイに助けてもらったから」
『…なんだって?』
音がやんだ。
もしかして開いた?と思いドアのぶを回すがやっぱり鍵はかかっていてため息をつく
『彼からそんな話は聞いていない…君はリヴァイにここに連れてこられたって事だね?』
「はい」
『私が思うにこの状況は監禁されてるように見えるんだけど?』
「う…、私も最初はそう感じました。でもこの部屋の外には巨人が居るから危険だって。だから彼は私を保護してくれてるんです」
『は?なんだって?巨人がこの辺に?』
少し呆れたような、驚いたような声が帰って来て私はふと思った。
「はっ!あなたも気をつけてくださいね!」
この扉の外は危険なのだ。そしたらこの人も危ない。そう思っての言葉だったが意外な返事が返って来た。
『………ありえないよ』
「え?」
『ここは人類が唯一生きていける壁内だ。ここに巨人はいない。』
「だって…」
『思うに……君をここから出させない為の嘘だろうね。ここは調査兵団の本拠地だよ。そしてこの部屋はリヴァイの部屋と直結している』
そんな…。嘘だったんだ、と私は床に座り込む。
わざわざ逃がさない為に?あぁ、これじゃぁ、やっぱり監禁だ。
もしかしたらもっと嘘があるのかもしれない。
(何で嘘、つくんだろ)
悲しんでる暇はない。私は膝の上の拳を握り、前を向く。
(彼女からもっと聞かなくちゃ…!)
「私、記憶がないんです。だから色々教えて欲しくて……」
私は自分の中のエリさんの設定に基づき話をする
『…記憶がない?』
「はい…」
『……君がエリかどうかは会ってみないとわからない。でも声は彼女にそっくりだね』
「あの……」
『あのさ、君、嘘ついてるだろ』
「…!!なんで…」
『もし君が私の知っているエリだとして、記憶が無いとしてもおかしいんだ』
「なにがおかしいんですか…??」

『エリは…私たちの目の前で死んでいるんだよ』
「え…?」
嘘の連鎖
(エリさんが死んでいる?どういう事…??)
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