彼はいつも朝私を起こす
「エリ、朝だ。目が腐るぞ」
「んっ、う…」
部屋が隣の彼は自分が仕事に行く時間になると私を一度起こす
(前に兵士だってきいた…)
眠たい目をこすっておはようと言えば私の頭を撫でる
最初は寝顔を見られた!とか思っていたけど、こう毎日だと恥ずかしさも無くなった
「今日もいい子でまってろよ」
「いってらっしゃい、気を付けてね」
巨人に、と小さく続かせれば、あぁ、と返事をされる
(よくあんな化け物の所に居る外に行けるよね)
私は彼が居なくなるのを見送ってあくびをひとつした
(今日で何日目なんだろ……)
もう日付感覚なんて随分前に無くなった。私がわかるのは今が朝か夜かくらいだ。
そろそろちゃんと帰る方法を探さなくては、と思いつつもこの世界の情報はリヴァイからしかもらえない。
その唯一の彼は昼間は仕事で朝晩しかあえない。
朝は先ほどの少ない会話しかないし、夜は何かを聞いてもなんとなくはぐらかされるし。
(はぁ、また夜まで一人か…)
今日も私は持っていたヘアピンで鍵穴を一日中カチャカチャいじる。
別に逃げたいとかではないけど、外に出て状況を把握したい。リヴァイは頑なに外に出してくれないから。
(当たり前だよね、外は危ないっていうし)
ここ数日で彼の優しさに浸っていた私は“監禁”では無く私がここに居るのは“保護”と感じるようになっていた
鍵をかけたのもきっと私のためだ。
(だって彼は優しい)
まるで壊れ物を扱うような優しい手つきに優しい視線。
なんだかくすぐったい。
テーブルの上に用意された食事を食べる。
もうお昼を過ぎただろうか。唯一のあの上の窓から漏れる日の光がだいぶ傾いてきている。
(でもあと何日こんな生活が続くんだろう)
その時、ガチャガチャとドアのぶが回った
「っ!だ、誰っ」
リヴァイじゃない。だってまだお昼だ。
彼はもっと暗くなってからじゃないと帰ってこない
もしかして巨人が入って来たのではないかと恐怖で足が竦んだ
どうしようと不安になったときだ。
『誰かそこにいるのかい?』
ドアごしに聞こえてきた声は警戒心が含まれている、女性の声だった
知らない人
(ごくりと唾を飲み込んで私はドアに近づいた)
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