二人並んでベットに腰掛ける。
私は大きな紙を広げて指を差しながら口を開いた
「リヴァイ、これは?」
「それはウォール・シーナだ」
「あぁ、そうだシーナねシーナ」
まるで絵本の読み聞かせのように優しい声を出す彼はなんとも不思議だ。
「そんなの覚える必要ねぇだろ」
「いや…だってリヴァイ居ないとき暇だし」
私は地図をもらった。
この世界が本当に異世界か確かめたかったからだ。
だって私が知らないだけで、もしかしたら海外にこんな場所があるかもしれないじゃない?
(でも…やっぱり異世界みたい)
知らない名前、変な形の地形。
まず、こんな狭い壁の中でしか人が生きられないのが不思議だ。
そとには巨人っていう化け物がうろうろしているとリヴァイは言った。
「あ、これもありがとう!」
「なんだまだ食べてなかったのか」
私はテーブルの上にあったビンを取りリヴァイのもとへ戻る
可愛いピンクのリボンが蓋に結んであるその中にはクッキーが入っていた
「えへへ、リヴァイと食べようと思って!」
彼を見ればリヴァイはため息をついて目を逸らした
「エリにやったんだ。全部お前が食えばいい」
朝、私を起こした彼は地図とこのビンを私に渡した。
クッキーはリヴァイが居ないときに気晴らしにでも食べろと言われていたのだが、どうもこの世界では甘いものは貴重らしく、私は何もしていないのにそれを一人で食べるなんてできなかった
「二人で食べたほうが美味しいよ」
「…俺はエリが食ってる姿を見れるだけで十分だ」
「っ!」
するりと長い指が伸びてきて私の頬を触る
優しすぎる指先に頬に熱がたまった
「あ、えっと」
「甘い物は好きか?」
「うん、す、き」
「そうか」
細く切れ長の目に薄い唇。
表情の変化はあまり無いのに、たまに彼は酷く優しい顔をする
(きっとエリさんが大好きなのね…)
「エリが喜ぶならまた買ってこよう」
ほらまた
優しく笑う
(期待に答えられない罪悪感と、嘘を吐いている罪悪感が増した気がした)
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