「あちぃ」
「同じく」
ギラギラ照りつける太陽。
コンクリートからの照り返しが余計暑く感じさせた。
「子どもは元気だなぁ」
キャイキャイとかん高い声で公園の遊具で遊ぶ子ども達を見てため息が出た。私はそんなにはしゃげないよ。
「お前、勉強しなくていいのか?」
「え?なに聞こえない?」
「仮にも受験生だろうが」
「こんな暑いと勉強もやる気が起こらないのよ」
「まぁ、間違いねぇ」
銀の髪を掻きあげて元親は上を向いた
「どこ受けるんだよ」
「ひみつ」
「ななし」
「なに」
「俺と同じとここいよ」
「んー」
「制服可愛いって言ってただろ」
「まぁ、ね」
会話はそこで途切れてしまい、蝉の鳴き声と子どもの声だけが響く
私と彼とはいわゆる幼なじみというやつだ。
私は彼と小さい頃から行動をともにしていた。
昔は私より女らしかったのに今では見た目ヤンキーである。
ふぅ、と本日何度目か分からないため息がまた出た。
そんな彼に恋心を抱いたのはいつからだろうか。
実際この気持ちが恋なのかはわからない。だが、彼が他の人にとられたらなんて考えたらやっぱり嫌だし悲しいと思ってしまうのだ。
(元親は、どう思うんだろ)
同じ学校を受けろ、と言ってくれているということは嫌いではない。ただ顔馴染みの仲間が欲しいだけなのかもしれない。
「元親はさ、私がすっごく遠くの学校を選んだらどうする?」
「あぁ?どこだよ。」
「例えばだって」
「そうだなぁ」
んーっと少し考えた後ちょっと困ったような声で話す。
「つまらなくなる、な。」
「それだけ??」
なんだ。つまり元親にとって私はただの気が合う幼なじみ止まりなのだ。
ポンポンと跳ねながらボールがこちらに転がってくる。
転がって来る先には小さな男の子が洋服の裾を握ってこちらを見ていた
「でもよぉ」
「んー」
元親が立ち上がってボールを手に取る
「もしそうなっても、最終的には俺の隣にもどすさ」
「っ!」
にかっと笑った元親はボールを持って男の子の所に行ってしまう
「……それは反則ですよ」
熱くなった顔は太陽のせいにしておこう。
君の隣
(やっぱりこれは恋ね)

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