明日が待ち遠しい金曜日


ピロン、と音がなった携帯。
見れば月島さんからだ。
『仕事は今日も遅くなるのか?』
『仕事終わらないんですが、昨日の事もあるので今日は早めに帰ろうと思います』
定時で帰ればまだ人通りもあるだろう。
少ししてから返信が帰って来た
『それがいい。気を付けて帰れよ』
心配していただいて、ありがとうございます。と返信して私はすぐにパソコンへと向かった
****************
やはり定時に帰れるのはいい。
道は明るいし、お風呂にはゆっくり入れる。
昨日の今日だ。いくら人通りが多いとはいえ気を引き閉めて帰ってきたためか、お風呂にはいればふーっとちからが抜けた。
(月島さんに会えなかったのは残念だけど)
いくらなんでも何日も連続で送ってもらうのは申し訳ない。
明日は丁度お休みだし、なにかお礼の品でも買いにいこう。ショッピングをして気分転換をしようと決めた。
(月島さん甘いものとか、好きかな?)
お風呂から上がり水を流し込む。ベットに置かれた携帯がチカチカと光っていた。
(あ、月島さんだ)
『家には無事に帰れているか?』
『はい、ありがとうございます。無事に着いています』
出会ったばかりの女にここまで親切にしてくれる月島さんはきっと面倒見がいいのだろう。
頼りになる上司、という最初の印象は間違っていなかったようだ。
『月島さん、甘いものはお好きですか?』
『好きだぞ。あまり自分では買いにいかないが』
『今度、美味しいお菓子を用意するので受け取ってください』
『気を使わせてすまない。丁度甘いものを食べたいところだった』
『月曜日、お仕事ですよね?またあの時間の電車に乗りますか?』
『実は明日休みだったんだが仕事になってな。月曜は代休を貰っている』
それは残念だ。私は明日からお休みで、月島さんは明後日から。会えたとしても火曜日だ。
『迷惑でなければ、明日家まで受け取りに行ってもいいか?』
「え、いつでもいいんだけどな」
そんなに急ぎでもない。口からでてしまった独り言に誰も返事はしてくれないが、代わりに私の指がポチポチと動く
『火曜日にお渡ししますよ』
わざわざ疲れている仕事の帰りに寄ってまでの代物でもない。そう思い返事をしたが思わぬ返事が帰って来た
『次いつ会えるかわからないんだ。それに俺も渡したいものがある。ダメか?』
確かに必ずあの電車にのるとも限らない。私はそう思い、ではお願いします。と返信した。
(月島さんって意外に頑固な所あるし、本人がいいって言ってるからいいか)
私は鼻唄を歌いながら久しぶりのショッピングを楽しむべくクローゼットを開けた
(明日は何を着ようかな)

明日が待ち遠しい金曜日
(そういえば渡したいものってなんだろう)


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