「…お前…死ねよ…」

珍しく呆れた口調で静雄が言う。いつもはあの強い口調だから幾分珍しいほうだ。でもその顔は熱があるようにほんのり赤い。

「可愛いね、似合うよ」

近くにいた黒髪の男が楽しそうに笑う。目線の先には可愛らしい着物を着た静雄。

「似合うよってお前、これ、女物だろうが」

自分で女物と言って、また意識してしまったせいかまた顔がかあっと赤くなる。でも本当に似合うのだからしょうがないじゃないか。動く度にちらりとのぞく白く長い足。ふわふわと揺れる人工の金髪。どこかの良くできたマネキンのようだ。

「いいんだよ。シズちゃんも優しいよね、分かってて着てくれるんだから」

赤くなった頬に手を添えれば、俯いた静雄が上目遣いで見上げてくる。その仕草だけで心臓が高鳴り、くらりと目眩がした。もう自分はダメになったかもしれないな。そっと頬にキスをすれば、静雄は目をぎゅっ、と瞑って恥ずかしさに堪える。何度もやったことがあるのにそうしてしまうのはやっぱり慣れてないからなのだろう。

「…臨也」

瞼が持ち上がり、色素の薄い瞳が臨也を見つめる。着物の淡い色は静雄によく合っていてなんだか儚く見える。

「綺麗だよ」

綺麗だ、なんてむず痒くてなかなか言わないけれどその儚さがなんとも言えず綺麗だったから。それに綺麗というの以外に何て言ったらいいかわからなかった。いつも饒舌に喋るくせにこういうときだけ言葉がでないなんて。

「…女物だからな」

素直に自分のことだと思わないところとか、それなのにいきなりのことに少し赤くなったりしてしまうところとか。そういう細かいところ一つ一つが愛しく感じられる。

「シズちゃんがだよ」

改めて自分だと言われるとやっぱり照れるのかなんなのか赤くなって小さく、ありがとうと呟いた。自然に口角を上げれば、静雄も笑い返してくれる。ああ、もう本当にダメになるじゃないか。でも、――静雄のせいでダメになるなら満更でもないか。臨也はそう思いながら静雄と唇を重ねた。






ぐだぐだーな上に短い。短いのはいつもか
ナチュラルに女装してるよね。させる必要はあったのか…
てかここのサイトの臨静は毎回ラブラブしてる気がするが気のせいかな




(2011/06/22)