「きゃああぁぁあぁ!!」
「!!?」

…たく、いきなり電話で家まで来てほしいなんて言うから来ちまったじゃねえか!
なんて一人ぶつぶつ文句(人々はそれをノロケと呼ぶ)を言いながらも、なんだかんだ愛する彼女の家の前に来た元親。
冒頭の悲鳴は、その彼女・陽射の家の前で聞いたものだ。

「陽射!?」

陽射の両親はいつも日付が変わる頃に帰ってくる。
両親公認というか、絶大に信頼されている元親は、自分用に渡された(作られた)合鍵で家に勝手にあがる。

「も、元親…」
「…何やってんだ?」

リビングに入った瞬間に、陽射が悲鳴を上げた理由を納得してしまった。