※蘭丸さんが教師


廊下を行き来するたくさんの生徒にまじった、色鮮やかなピンクの頭を見つけて俺は声をあげた。

「霧野先生」

そしたらなんと先生は振り向いて、俺と目が合った!
やっべ声でかすぎたかな、そんなつもりなかったんだけどな。なーんて思っていると、霧野先生は生徒たちのあいだをすりぬけてこちらにやって来た。
あ、今日のネクタイは青に白のストライプか。

「霧野先生こんにちは!」となりの天馬くんのあいさつに笑って返して、「ほら狩屋に松風に西園、チャイムもうすぐ鳴るぞ」と先生はしかめ面。
腕時計は高級そうなものだ。

「あと狩屋、セーター」
「……あ」
学ランの下に着ているセーターの、すそがほんのすこしはみ出していた。いちいちうっさいなあ、ほんとこの人ってば几帳面。
……というのは心のなかだけにして、はみ出たすそを折り返して学ランのなかに隠した。

「狩屋ー、行っちゃうよー!」
天馬くんが叫んだ。人の波はずいぶん引いていた。廊下はきゅうに広く見えるようになった。この学校、廊下はせまくないのだが如何せん生徒数が多い。

「ちゃんとズボンのなかに入れとくんだぞ」
霧野先生は、教室二つぶんくらい先にいる天馬くんたちのところに早足で向かう俺の背中に、声をかけた。


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