・蘭丸さん女体化!注意!




蘭丸はかならず念入りに化粧する。クリームを何種類も塗って、パウダーもはたいて、ブラシにコーラルオレンジのチークをとって、ていねいにのばす。それから、まぶたにシャドウをのせて、ビューラーでまつげをもち上げ、アイラインをゆっくりとひき、マスカラをたっぷりと塗るのだ。眉を描き、リップブラシに口紅をとって唇にのせて、終了だ。
俺はいつも、「化粧しなくても蘭丸はきれいだよ」と言うのだけれど、蘭丸は顔をしかめて、「しなきゃいけないんだよ」とつぶやくだけだ。
「久しぶりの休日だね」蘭丸が言った。声がかすれている。昨夜のなごりだろう。「今日はどこに行くの」という蘭丸の問いかけに、「どこに行きたい」と返せば、「お散歩がしたい」と子どもっぽい声で言われた。「じゃあごはん、食べたら出かけるか」アイロンがかかったシャツに腕を通した。枕元のディジタル時計は午前九時三十八分を表示していた。


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