※異物挿入







「やぁシズちゃん」

玄関のドアを開けると、目の前に飛び込んできたのは俺の大嫌いなノミ虫野郎だった。
反射的に手に拳を作るが、臨也の頭の上に何かが乗っているのが見え、寸前で拳を止めた。
黒髪の上には見慣れない白い毛玉。

「うさぎ…?」

「そう!ロップイヤーって言うんだけど可愛いでしょ!うちの助手が知り合いから預かったんだって。だから可愛いものが好きそうなシズちゃんに自慢しに来たんだよ!どう?」

いつもより数十倍うざいテンションの臨也が、頭の上のうさぎをふわふわと撫でる。1匹だけかと思いきや、まじまじと見ると腕の中にも黒い毛玉が見える。多分これもうさぎだろう。黒い服に紛れていて気づかなかった。

「可愛いな…」

ふわふわと動く小動物に毒気を抜かれ、恐る恐る黒いうさぎに触れてみる。うさぎは一瞬ピクリと震えたが、その後は臨也の腕の中で大人しくしていた。

「ね、可愛いでしょ!ふわふわでしょ!じゃあちょっとお邪魔しまーす」

「あっ、おい!」

制止の声も虚しく、臨也がずかずかと部屋の中へ上がり込む。いつもならここで一発拳でも浴びせてやるのだが、今日の臨也はうさぎを抱いているため殴りとばすことが出来なかった。もしかしてその為に抱いてきたのだろうか…
チッと舌打ちするとくるりと振り返った臨也が言った。

「提案なんだけどさ、今日ぐらいは一時休戦しない?毎日毎日殺し合いだと疲れちゃうしさぁ。それに、ほら、シズちゃんだってうさぎだっこしたいでしょ?ふわふわだよ?」

「うっ…」

普段ならば乗ることのない臨也の口車に、今日はまんまと乗せられてしまう。ちなみに臨也がなぜ知っているのかわからないが、俺は小さくて可愛いものは好きだ。

「………きょ、今日だけだぞ!」

「やった!話のわかるシズちゃんは嫌いじやないよ!」

この時いつも通りに臨也を殴っていれば、玄関先で追い出していれば、この後の悲劇は避けられただろう。
だけどこの時の俺は目の前の愛くるしい生物に気をとられていたのだ。
これが全て臨也の罠だと知らずに。


****************




「ひぁっ…!」

四つん這いにされ、尻を高く突き出す格好を強要される。両手が後ろ手に縛られて、体勢を崩すことさえままならない。

頭の上にはなにやらカチューシャらしきものが取り付けられていて、楽しそうに鏡を持った臨也がニヤニヤとそれを目の前に差し出した。
鏡の中の自分の頭には、先ほど見たうさぎのような垂れた耳が付けられている。

(つーかこいつこんなもんどこから持ってきやがった!)


「ほーら、可愛いうさぎシズちゃんの出来上がり!」

「ふざけん…な…っ」

「…ちょっと口が悪いのが玉に瑕だねぇ」

臨也の指によって散々慣らされた後孔がローションの力も手伝ってぬるぬると滑った。細い指先が入り口をいやらしく撫でる。快楽に霞む頭でどうしてこうなったのかと思考を巡らす。

ああそうだ。臨也に渡されたうさぎを抱いている最中に、油断した俺はまんまと注射器で弛緩剤とやらを打たれてしまったのだ。

生き物を抱えているためにとっさの反応が出来なかったのもいけない。あんなのは避けようと思えば避けられたはずだ。
だが、時既に遅し。
耳元で、速効性だよと言われた時には既に体中から力が抜けていた。膝からがくりと床に崩れ、そしてその後に両手を縛られて、

「うあっ!」

くちくちと入り口を撫でていた臨也の指が3本同時に入りこむ。

「こんな時に考え事なんてずいぶんと余裕だねぇシズちゃん」

入り込んだ指の出し入れを早められ、じんじんと体中が疼く。動きに合わせてひっきりなしに喘ぎ声が漏れた。床には口からこぼれただらしない涎の跡も残っている。

「ん…ぁっ、ちが…っ…あ…っ…」

「ほらシズちゃんの可愛い穴がどんどん広げられていくよ。はは。シズちゃんってさぁ、後ろ初めてじゃないでしょ?初めてだったらこんなによがるわけないもんねぇ」

臨也の言葉が突き刺さる。こんな行為初めてに決まっているのに。口からは否定の言葉が出てこないほどに感じてしまっていた。決して奥には入れようとせず、執拗に入口の浅い部分だけを攻められる。

なかなか決定的な刺激を与えてくれないので、中途半端に放置された自身が熱を持って疼いていた。

「そろそろ出したい?」
前をするりと撫でられ、コクコク馬鹿みたいに頷く。使われたのは弛緩剤だけなのに、体の奥から湧き上がる熱に抗えない。

「ひ、ぁっ、あぁ、っ…、ん、ぁっ、」

「ははっ、淫乱なうさぎちゃんだねぇ」

わざと俺の羞恥を煽る台詞を吐き出す臨也。言いながら、頭に着けられたうさ耳を撫でられる。正直殴りたい。
そして臨也はポケットからごそごそと何かを取り出す。それが何かを確認する前に、入っていた指がするっと抜かれ、変わりにひたりと冷たいものが後ろに当てられた。

「これ、何だかわかる?」

「ぇ…?」

首が回らないので後ろが確認出来ない。それも臨也は知っていてわざと言っているのだ。

「ヒントはねー。ウサギさんが大好きなものだよ。多分シズちゃんも気に入るんじゃないかなぁー」





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