小説 | ナノ



クレイジー・ファンタジー

※ダンガンロンパパロ
※キャラ崩壊
※内容がとにかくひどい
※似鳥→凛要素有


「お前…まさかイワトビちゃん」

「そうだ。このボクがイワトビちゃんだ」

 一同の前に立ちふさがるのは、(遙いわく)たいへん可愛らしいマスコットキャラクターのイワトビちゃんだった。

「イワトビちゃんがしゃべった!」

 目を輝かせる渚や江、似鳥に御子柴。真琴はキャパオーバーなのが顔に出ていて、眉はいつもより更に下がっていた。

「馬鹿にするな。このボクは校長先生だぞ」

「え〜イワトビちゃんが校長先生!わあ、すごいすごい」

「そうだろう、そうだろう」

「余計な話はいりませんから、僕たちをここに集めた理由を教えてください」

 怜の言葉で、みんな自分たちが拉致されたことを思いだし、一斉にイワトビちゃんを睨み付ける。
 イワトビちゃんは飄々と視線をはねのけて、手のようなものを腰にあてた。

「よくぞきいてくれたな。超高校級のメガネよ」

「それ僕のことですか?…失礼な」

「お前のことであってるぞ、竜ヶ崎怜。理由は簡単。ボクの暇つぶしだ」

 その場に怜がずっこける。
 今まで黙っていた凛が舌打ちをかました。

「いいかげんにしろよ。くそ鳥が」

「凛、イワトビちゃんはくそなんかじゃない」

「メガネ呼ばわりは不服ですが、続きを話なさい。そもそも、超高校級とはなんです?」

「そんなことも知らないのか、メガネ。現役高校生ながら、高校生のレベルを超えた次元にある実力者に対する賞賛のことだぞ、メガネ。つまりお前はすごいメガネってことだぞ、メガネ」

「語尾にメガネつけるのやめてください」

「あははっ。イワトビちゃんおもしろーい」

「渚くんは笑ってる場合じゃありません」

「こめんね、メガネ。…いや、怜ちゃん」

「渚くんまで…」

「許せ、イワトビちゃんに悪気はない」

「なんでテメェはあのくそ鳥をいちいちフォローすんだよ?」

「くそ鳥じゃない。イワトビちゃんだ」

 遙の言葉に嬉しそうに頷くイワトビちゃんは、(遙いわく)可愛らしくクチバシを動かして再び話し出した。

「ここにいるのは全員が超高校級だ。まず、七瀬遙」

「俺…?」

「お前は超高校級の水キチだ」

「橘真琴は超高校級のノッポ、葉月渚は超高校級の黄色。松岡凛は超高校級の泣き虫で、妹の江は超高校級の筋肉好き」

「他の奴はどうでもいいが、俺は泣き虫じゃねぇ」

「どうでもよくないよ、凛ちゃん。僕は黄色だよ。頭の色を言われただけなんて酷い」

「そうだよ凛。俺なんてノッポだよ」

「不満だったら超高校級のロマンチストに変えてやろうか」

「ロマンチストでもねぇよ」

 ますます不機嫌になる凛から目を反らし、イワトビちゃんは御子柴の方を向く。

「なあイワトビちゃん、俺は超高校級のなんだ?」

「お前は超高校級の女ったらしだ」

「部長…」

 似鳥が御子柴を、蔑むのを隠しもせずに見つめる。

「似鳥愛一郎、お前もひとのこと言えないぞ」

「なっ…!僕は至って普通ですけど」

「たわけ。お前は超高校級の同性愛者だ」

「おっしゃる意味がわかりません」

「とぼけるな、お前は松岡凛をあいしている」

「似鳥……」

「ま、松岡先輩…。ち、違いますから、違いますからね」

「イママデアリガトナ。オマエノコトハワスレナイ」

「なんで棒読みなんですかあ。信じてください」

「シンジテルゼ」

 似鳥は頭をかかえて、イワトビちゃんをキッと睨む。本気の目だ。殺してやるとくらい思っていそうなほどに。

「みんなでこいつを倒しましょう!僕はあんたを許さない。…こいつのせいで先輩に気持ちがバレたじゃないか」

「似鳥っ!…俺、お前のこと信じてたのに。1%だけ信じてたのにっ……。モウダメダ」

「しまった…。イワトビちゃんめ」

 拳を掲げてイワトビちゃんに向かっていく似鳥の運命は如何に。