恋愛革命


今まで好きになった人の共通点。
髪の長さや背の高さ、性格までわりとまちまちな彼女達の絶対的な共通点は、女の子だと言うこと。

それが今、覆されようとしていた。












教室の中、ぼんやりとアイツの背中を見ていて。
今はクラスメートと一緒に漫画雑誌を読んで笑っていて
あれが面白いとか、このシーンが好きだとか話し合う姿にちょっとだけジェラシー。

笑い合う2人の肩の距離は限り無くゼロに近くて
そりゃあひとつの雑誌を読んでいるわけだし、2人の間にそんな感情が無いのはわかってはいるけれど
やっぱりあんまり見ていたくなくて教室を後にする。

「はぁ……」

扉を閉めた瞬間に漏れる溜息。

本当に有り得ない。
まさか、俺が男に
しかも長年幼馴染みとして付き合っていた筈の奴で
今までそんな風に見たことも無かったのに……。

きっと、この高校に入ってからだ。

全寮制の男子校なんて性欲ありあまる健全男子を無理矢理ひとつの箱庭に納めた為に出来上がってしまった性別を越えた恋愛が蔓延るこの学園でお互いの身を守る為にと出来た協定。
それは俺とアイツとで交わした恋人ごっこ。

これは周りに自分達はお手付きだと知らせないといけない訳で
特にアイツは無駄に顔は良いし、誰にでも訳隔てなく優しい。
だから、変に期待してしまう奴が多いから徹底的にバカップルになりきろうという事で
恥を忍びながらも人前で堂々と付き合ってるとか、好きだ愛してるとか言ってたせいできっと自分の頭が本当にそういう意味でコイツを意識しだしたんだと思う。

(最悪だ……)

「はぁ……」

先程よりも重く漏れる溜息を噛み殺す術を知らない俺。
それでも、どれだけ溜め息を吐こうとあの頃の様にアイツを友人としては見れなくなってしまった。

「あーぁ……救い様ねぇよなぁ……」

そうぼやいてみても
どれだけこの想いを混ぜて深い溜め息を吐いても薄れる気配の無い想い。
今まで好きになった子達でもこれ程に深い想いを抱く事はなかったんじゃ無いかと思うと

ああ。
これは、なんて泣きたくなる程に不毛な恋愛革命だと俺は叫び出したくなったのだった。


end.





恋に悩む男子学生的な。
受も攻も名前が出てきて無いのは仕様です←
べっ…別に名前を考えるのが面倒だったとかじゃないんだからね!!←←
そんで全部、攻の確信犯的犯行なら楽しい。

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