「あ、いたいた!たもっちゃーん」 「げっ、柚乃と和希…。…なに?遊びにきたとか、そういう理由なら是非とも帰ってくれるかな?僕、目立ちたくないから学校ではあまり話しかけないでってちゃんと言ったよね?」 「いやいや歓迎ありがとネー」 「世界史の教科書貸してくれ」 「人の話聞いてる?」 「え?なになにー?」 「まず柚乃は静かにして」 「さー!!!!いえっさーっ!!!!」 「何なのそれ。嫌がらせ?笑えないんだけど。ああもうすごい目立ってるし…!最悪だ…!」 「たもっちゃんそんな落ち込まないでー!軽いジョークだったんだよ、ごめんね。たもっちゃんはああ言ったけど、あたしは学校でも仲良くしたかったのですよ…」 「……別に、もういいけど」 「おい世界史の教科書」 「お前はそれしか言えないのか。もう僕が教科書みたいになってるし。…なに?忘れてきたの?」 「ちげーよ。柚乃に貸したんだよ」 「はあ?…君たち同じクラスだったよね?馬鹿じゃないの?そして馬鹿じゃないの?」 「そうだね!和希は馬鹿だよ!」 「うっせぇな!いいから早く貸せよ世界史!」 「いや、僕も次使うんだけど…」 「ハァ?んなもん樹に借りりゃいい話だろうがボケ。早く寄越せボケ」 「え…?これ僕が間違ってるのか?もう何が正しいのか分かんない…」 「たもっちゃんが間違いな訳ないじゃないか!だからね、一緒にバラさんとこ行こうよ」 「え、うん?」 流されやすい男 幼なじみ3 藤野 保(フジノ タモツ) |