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雪害(無双.張遼)

※呂布←張遼





特に何か思ったわけではない。
ただ雪の上に身体を埋めてみた。その冷たさが火照る身体には酷く心地好い。

そう、だ。
雪を見ていると、心がざわついて落ち着かない。
魏軍に迎えられて随分経つが、雪を見る度、あの時を、あの人を思い出してしまって、どうしようもなくなる。

あの人の下では自分の武は見極められなかった。
それでも、あの人は強かった、私の持っていないものを持って、私の憧れた背中を持って、
私は、 。

「…呂布、殿」

口に出せば目頭がつんと熱くなる。
そうだ、このまま寝てしまおうか。
雪は冷たい。
今の自分には心地の好い寝具である。

雪の中に埋もれたあの人の破片を掻き抱くように、腕を入れ両脚を畳む。
そうか、あの人は雪の中に紛れている。
だから雪を見る度に思い出して、心を掻き乱していくのだ。
私は忘れない。
忘れようと思っても、貴方の背中は消えはしないのに。

「…呂布殿…っ」

消え入るような声がした。その声はあの人同様に、雪の中に霧散して消えてしまう。




天野月子の巨大獣〜第二次形態〜を聴くと呂布軍あああああってなるので
でも山田の「呂布殿」ってまだ聞いたことない…ぐうう 呂布がこい

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