純白の甘い香り


甘やかに誘うホワイト・リリー


訓練で汗だくになった身体を清めようと、熱いシャワーを頭から浴びる。
特にこだわりのなかった自分に、ロックオンが押し付けてきたシャンプーで髪を洗う。
ふわりと漂ういつもの甘い香りに、やっと人心地付いた。
深く息を吐き、荒っぽく髪をタオルで掻き上げる。

後は寝るだけだと、簡単な寝巻きに着替えてベッドに腰掛けたところで、訪問を告げるブザーが鳴った。

こんな時間に誰だ。
備え付けのデジタル時計では、日付の変わる五分前を表示している。

眉を寄せながらも立ち上がろうとした瞬間に、空気の抜ける様な音を立ててドアが開いた。


この部屋のロックを解除出来る人間など、刹那以外には一人しかいない。

案の定、開き切ったドアの前にはロックオンが立っていた。

長い脚を持て余し気味に踵を鳴らし、俯いている。


「刹那…いい…?」


白い頬を桃色に染め、言う。
彼女の突然の行動は、これが初めてではなかった。


「………好きにしろ」


暫しの逡巡の後、溜め息を吐きながら答えてやる。
すると、ロックオンは瞳を輝かせて飛びついて来た。

むぎゅぅっ、と息が詰まるくらい強く抱き締められ、すりすりと身体を擦り付けられる。

肘に彼女の豊かな胸がぽよぽよと当たっていたが、刹那は気にもとめずに端末を手に取り、明日のスケジュールを確認した。

それがお気に召さなかったのか、ロックオンは刹那の頬を両手て包むと、噛み付く様な勢いで唇を塞ぐ。
驚いた刹那の端末が手から落ち、派手な音を立てて床に転がった。


「んむ…っ!?」


余りに唐突な出来事に、刹那は目を丸くする。
なんとか抵抗しようと試みるが、それに気付いたロックオンに押し倒された上に覆いかぶさられ、動きを封じられてしまった。
いくら普段からトレーニングに勤しんでいるとは言え、体格差ではとても敵わない。


「ぁうっ…!」


それでも諦めずにじたばたともがいていると、太股の間に入り込んだロックオンの膝がいたずらにぐりりと無防備なそこを刺激した。
流石にこれには勝てず、細い背を撓らせてくたりと大人しくなる。
華奢な身体がすっぽりと腕の中に収まったところで、やっとロックオンは満足げに微笑んだ。


*****


生理前になると、どうしても人肌が恋しくなる。
一番最初に彼女が持て余した熱を打ち明けてきたのはいつだっただろう。

始めは自分もその気持ちが判らないでもなかったし、同室のよしみでロックオンの湯たんぽ代わりを請け負っていた。
しかし、回を重ねる毎に彼女の行動がエスカレートしていった。

今日はいつもと違う、何か変だと思った時にはもう遅く、あっと言う間に服を剥かれて彼女のいいようにされ、初めてをあっさり奪われてしまった。
それでも不思議と嫌悪感が浮かばなかった刹那は、部屋が分かれた今でも彼女のしたいままにズルズルとこの関係を続けていた。

ロックオンからしてみれば、刹那が好きで好きで堪らずにコトに及んだのだが、それが伝わっているのかは定かではない。
だからこそ、掴めない少女の気持ちを振り向かせようと何かと理由をつけては行為を繰り返しているのだけれど。


「せつな…すき…んっ…」


ちゅっ、と音を立てて、ロックオンが刹那の小さな胸に吸い付く。
膝から与えられた刺激ですでに敏感になっていた少女は、はふはふと息を荒く吐いて新たな刺激に耐える。
溶けた緋色の瞳が自分を映すのが見えると、それだけで腰が疼いた。


「ひゃぁっ!?」


「ね…、もう濡れてる…」


下着の上から濡れそぼる場所をなぞられ、刹那は目の前の白い肌にしがみ付いて快感をやり過ごそうとする。
何かに縋っていないと意識が飛んでしまいそうな感覚に陥り、より一層強く抱きつく。
すると、大きなロックオンの胸に顔が埋まった。
彼女の甘い香りに頭がくらくらする。
刹那は無意識の内にロックオンの柔らかい胸に頬を摺り寄せ、うっとりと目を閉じた。


「かわいい…」


まるで幼子の様なその仕草に、甘く美貌をとろかせて微笑む。
小さな額に唇を落としながら、手は休まずに秘所をなぞり続ける。
胸の間から、んっ、とくぐもった喘ぎが聞こえるのが、また堪らなく愛らしかった。


「ふあぁっ…!」


ぷくんと出っ張った小さな突起に指が引っ掛かると、面白い程に脚が大きく跳ねた。
ロックオンは素知らぬ顔で何度も引っ掻く。
抑えきれずに大きくなっていく声に比例して、抱きつく力が強まっていく。


「…っ」


がりっ、と、ロックオンの背に爪が食い込む。
おそらくこの力の加減と痛みでは、出血しているに違いない。


「この…やったな!」


ロックオンは肉食獣みたく舌なめずりをして、仕返しとばかりに容赦なく突起を摘み上げる。


「いや、だめっ…ああぁぁぁっ!」


一際大きく身体が震えたかと思うと、高い声を上げ、くにゃんとシーツに倒れ込む。
じゅぷん、と嫌らしい音を立てて、蜜が滴った。

ロックオンは手早く身に着けていた下着を脱ぎ捨て、刹那の薄い腹に跨る。


「こんなに濡れてちゃ、穿いてる意味無いよな?」


揶揄する様に言って、刹那の下着を脚の間から抜き取った。


「刹那の、こんなにひくひくしてかーわいい…。…どうして欲しい?」


はしたなく蜜を零しながら開閉を繰り返す入り口に指を添え、ロックオンが目を細める。
震える唇からなんとか答える刹那の鼻先で、甘い香りが誘うように揺れた。


end


白百合の甘い、誘惑

微糖メランコリックの蒼深さんから頂きました百合ニル刹です…私の股間を破裂させる気ですか貴女は…♂← 文章から刹那の甘い香りが漂ってくる…hshshshs/////