これは性教育だな、とソファに座って刹那を見下ろしながらニールは思った。

「は、んむ…」

出会ったばかりの頃の刹那は、人目も憚らずに自慰をしたり無意識ながらも発情した体でニールを誘惑したりしていた。それはもう自制の利かない子供のように。何度も抱いていると、我武者羅に乱れるだけだった刹那が自ら「ココが好き」とか「もっと強く」、と強く主張するようになったのだ。

「んん、っ ふ」

涙目で懇願する刹那の言うままナカを蹂躙すれば、彼女は歓喜の悲鳴に似た嬌声を上げて達する。腰を妖艶にくねらせ、肩をびくつかせてぎゅっと目を閉じて。おまけに尻尾も快感に合わせてピンと硬直したりヘニャリと力をなくしたりと忙しなく動く。その尻尾でさえ性感帯で、突きながら尻尾を掴んでやれば刹那のナカがギュッと搾り取るように収縮するのだ。

「ちゅる…んー…ぅ」

乱れる刹那に満足しつつもどこかニールは物足りなさを感じていた。刹那の望むままに体を突き上げるよりも、自分の責めに息も絶え絶えに喘ぐのを見るほうが、ニールはずっと興奮するのだ。欲求を解消して貰えずに、それでも気持ち良くなってしまう。主導権を握られて熱を持て余す刹那を責め抜いてやりたい。そんな欲求がニールを駆り立てる。今度はどんな風にして責めてやろうかな、なんて考えていると足の間から刹那の声がした。

「ニール?」

大きな瞳を不安の色で染めて、気持ち良くない?と不安げに尋ねてくる刹那。黒い猫耳が気持ちと比例して垂れている。サイズの合わないYシャツを羽織っただけの格好はエロティックで煽っているようにしか見えない。毎度のことだがこの格好で居られると犯したくなってしまう。これも無意識のなせる業か、とニールは笑う。

「気持ち良いよ、刹那」

「本当か?」

艶やかな黒髪を撫でながら耳の裏を掻いてやると刹那は嬉しそうに声を弾ませて笑った。続けてくれるか、と促すと一心不乱にニールのモノにしゃぶりついた。じゅる、じゅぼ、とわざとらしく音を立てる刹那の口の端から涎が伝って床に落ちる。このやり方を教えたのもニールだ。これは刹那を、自分の好みの体にするための性教育なのだ。

「刹那、これなんだ?」

「ひぅっ!」

四つん這いになっている刹那の臀部に手を伸ばしニールはショーツをぐい、と引っ張る。ローライズの白いショーツは控えめにレースがあしらわれていて、買ったニールの趣味なのか布地の部分が極端に少ない。そんな布切れみたいなショーツの伸びたクロッチ部分が刹那の陰部に食い込んでいる。引っ張られる度にショーツに愛液が滲み出して、その部分だけが色を変えている。

「あ、あ、っにーる だめえ」

「弄ってもないのにこんなに濡れてるのか?」

いやらしいなあ、とニールは意地悪く呟いた。その間にもぐいぐいとショーツは引っ張られていて、ショーツは刹那の陰唇を押し退けて粘膜だけを隠すただの布となっている。もう片方の手でその布の上から粘膜を弄くり回すとじゅぶりと愛液が溢れ出した。そんな唐突な責めに、刹那は口をだらしなく開けて声をあげている。口で奉仕するのを失念している所為で、ニールのモノは刹那の頬にこすり付けらるだけだ。

「あっ ひあ そこだめ、だめ」

「だめな筈ないだろう。ほらこんなに垂れてる」

弄る度に大量に滲み出す愛液は内腿を伝って行く。あまりの量に驚きながらもニールは面白半分に執拗に刹那の粘膜を弄った。器用に陰唇を指で左右に広げながら陰核と粘膜を交互に擦るニールの指技に、刹那の体がぶるりと震えた。

「ひぃ、 あーーっ!!」

その瞬間、ぶちゅっという音と共に陰部から愛液が吹き出した。それも一度では収まらず二度三度と飛沫を撒き散らす。達する度に潮を吹くようになっていく刹那を見てニールはひどく興奮した。

「にゃあ……にーる …欲しい…欲しいよお」

潮を吹いた余韻で小刻みに体が震えている刹那は甘ったるい声でニールに強請った。我慢出来ないのか、ニールの服を握り締めて小さな膨らみを彼の胸板に押し付けてくる。可愛らしい薄ピンク色の蕾がYシャツに透けているのだ。コロコロと転がしたい衝動に駆られたが、ぐっと堪えてニールは刹那を諭す。

「どうしたら良いのか、教えたよな?」

可愛い姿で強請られてまだ我慢出来るなんて、俺も我慢が出来るようになったもんだ、と心の中で自分自身に賞賛を贈った。自分の掌の上で、責めに喘ぐ刹那を見たい。その欲求に勝るものはないのだ。何処か恥ずかしげにしながらも、刹那はいそいそとショーツに手をかける。濡れた敏感な部分が外気に触れると、その温度さに反応したのか小さく「ん」と声をもらす。ベトベトになったクロッチから糸が引くほどに、濡れそぼったショーツを脱いで刹那は床にころりと横たわった。そしてソファに座っているニールの方に体を向けて足を開くのだ。丈の長いYシャツの所為で刹那の陰部は隠れてしまっている。下腹部の切なさから目に涙を浮かべて、ニールを上目遣いで見つめながら刹那はシャツの裾を捲り上げた。

一切毛のないそこはつるりとしていて、なだらかな丘のようだった。視線を下に向けると勃起してほんの少しだけ頭を出す陰核、更にその下の陰唇が合わさっているところからは粘膜が微かに見える。刹那は閉じられた陰唇にそっと指をかけ左右にゆっくりと広げた。そこは相変わらず綺麗なピンク色で、広げられ丸見えになっている膣の入り口がひくひくと蠢いている。「早く」と急かすようにとろりと愛液が流れ出した。陰核の皮も捲られて完全に頭を出して、触って欲しいと主張している。ニールからは刹那の大事な部分が丸見えというわけだ。その大事な部分が刹那自身によって曝け出されているのだから、ニールの興奮も一入で、ソレも更に大きく主張してきている。

「もうどろどろじゃないか」

「ふぇ…だって、 にーるがぁ…」

「俺は何にもしてないだろ?刹那が俺のを舐めて興奮してた」

そうだろ?と同意を求められて刹那は気恥ずかしさからぷい、と顔を逸らした。それでも陰部は広げられたままだ。

「ま、濡れやすいくて良いに越したことはないぜ」

「にゃうっ」

突然の陰核への刺激で刹那は声をあげた。ニールが己の陰茎で刹那の陰核を擦り上げているのだ。いつもは恥ずかしい言葉を言わされるのに、と疑問に思うのも一瞬で捏ね繰り回される感覚に腰が大きく揺らいだ。右に左にテンポ良く動かされて「にゃ、にゃ、」と刹那の口から可愛い喘ぎ声が漏れ始める。

「いれ、いれてえ…にゃんっ にーるぅ、いれてってばあ…!」

「だーめ。俺はこっちを弄りたいの」

「いじわるっ にゃあんっ、あ」

律儀にソコを広げたままなのは刹那だって陰核が好きだからだろ。とニールは意地悪く笑った。必死に皮を捲っているのだから間違いではない。擦る度にきゅっと膣の入り口が収縮してどくどくと愛液が垂れる。早く入れて欲しいと願う刹那を尻目にニールは一層激しく擦り続けた。

「んにゃあっ!!」

過ぎた快感に堪えきれずぴゅっと吹き出した潮がニールの陰茎にかかった。擦れば飛び出すその反射に堪らなくニールは興奮した。しつこく擦り上げて真っ赤になってしまっている陰核はいつもの何倍も敏感で、面白いくらいに何度も何度も潮を迸らせた。その度に刹那は腰を戦慄かせるので狙いが外れて、陰唇を押さえる指に陰茎を押し付けることになってしまった。逃げる腰を捕まえようにも自分のモノを持っているのと刹那の太ももを押さえている為、手が空いていないのだ。もう入れちゃえ、とニールの気紛れで膣に宛がわれた陰茎はつるん、と凹凸が綺麗に合致するように吸い込まれた。

「―――――――……!!」

何の前触れもなく入れられた太い陰茎に刹那は息を呑んだ。自分の下腹部を見下ろせば、広がったピンク色の肉に、ニールの猛々しい陰茎が突き刺さっているのだ。ようやく「挿入られた」と理解した刹那に快感の波が押し寄せる。乾いていたスポンジに水が染み込むように、刹那の体は快感を享受したのだ。足の爪先から頭の天辺まで、一気に電気のような何かが走り抜ける。体を撓らせ悶える刹那に、ニールは追い撃ちをかけにかかった。

「こっちお留守じゃ、可哀想だよなっ」

「ひにゃああん!」

我慢汁塗れの陰核を無遠慮にニールのしなやかな指が撫で上げる。潤滑油のせいで滑りが良く一層コリコリとしこり始める。撫でると膣がきゅんと締まって、時たま愛液が吹き出してニールの手を汚した。

「ったく、本当に エロイ体してんなっ…」

「ひ、にー、る やめ  っにゃぁあああ、ああああっ!!」

親指と人差し指で摘むようにして扱いてやると、悲鳴を上げた刹那は足をニールの腰に絡ませながら達した。その瞬間も壊れたポンプから水が吹き出すように、刹那の陰部から潮がぴゅぴゅっと何度も溢れ出した。ぎゅうっと締め付けられたニールも絶頂を目指して腰をがつんがつんと打ち付ける。最奥で子宮の入り口と亀頭がぶつかり合う感触で、再び達した刹那は遂に陰部から手を離し床の上で身悶えた。

「にゃ、あ  ああっ ああ、ひああ…っ!」

「ぐ、ぁっ…!」

物凄い力で締め付けられたニールは苦しげな声を出し、とうとう刹那の中で射精した。不規則に痙攣する肉壁の熱さで頭がくらくらした。未だに陰茎に吸い付いてくる膣の肉の合間から微かに白濁が滲み出す。少々無理矢理に陰茎を引き抜くと「にゃぅ」と刹那が小さく啼き、尻尾がほんの少しだけぴんと突っ張った。だらしなく開かれたままの足の間は、ニールの真っ白な精液で汚されている。余韻でぱくぱくと僅かながら絶えず動く膣口からは、ちょろちょろと出続ける愛液と精液が混じって静かに流れ出ていた。