堪らなく、可愛かった。細い肩を竦ませて、しなやかな背を逸らせて一心不乱に「ニール、気持ち良い」と涙ながらに喘ぐ刹那。大きな瞳からぽろぽろと溢れる涙と過敏に反応する体。もう一回だけもう一回だけ、と思いながらも容赦なく己の欲望の化身を刹那に突き刺した。互いに向き合って深く繋がり、盛大に達したのを最後に二人してベッドに沈んだ。というのにも関わらず。
「ひ、ぃ」
「ほら刹那、足広げないと掻き出せないだろ?」
こんこんと立ち上る湯気の中、程よい湿気に包まれるバスルームに二人は居た。ニールは、指を押し込めば易々と溢れ出してくる白い液体に昨夜(厳密に言えば、つい数時間前の話だが)の行為を思い出し、つい失笑する。
「みゃ、ぁ あ」
「ちゃんと綺麗にしないといけないからな、そうだ、いい子だ」
おずおずと力を緩めて足を開く刹那の頭にそっとキスをしてニールは言う。刹那の肉襞を優しく撫で回してぬめるものを指で掻き集めては外に出す。そんな些細な動きに対していちいち刹那は小さく反応する。尻尾がピンッと緊張しては緩んで、へにゃりと力なく頭を垂れる。
「、あっ」
奥の方を指でなぞるときゅっと中が締まった。その反応が可愛くてニールは執拗に奥を撫で上げる。撫でる度に締まる肉襞とひくつく腿が、そこがイイ場所だと顕著に現れていた。掻き出すのは二の次だ。一本だった指を二本に増やして刹那の中に挿入する。まだ掻き出しきれていない精液が潤滑油になってにゅるんと奥まで入ってしまう。突然の圧迫感に刹那は声をあげる。
「ひぁっ……!?」
ぴったりと密着してくる肉襞を掻き分けるように奥の更に奥に進む。その度にぬちぬちと淫猥な音が小さく響く。耳を頻繁に動かしているところを見ると、刹那の耳にもしっかりと届いてる筈だ、自分から発せられる音を。
「刹那のイイトコロは奥の方にあるんだよな?」
「ひゃ、や…っそこばっかぁ…っ」
汚れた体を綺麗にしようと入った風呂場でも欲を抑えきれずに刹那の体を弄り回してしまう。しっとりと塗れた緑の黒髪、鏡に写る刹那の裸体。もっと汚したい、そんな衝動に駆られてしまう。
「じゃぁ、こっちの方が好きか?」
「にゅっ!?」
指がすっぽりと入りきってしまっている穴の上、小さく主張する陰核を親指で押し上げる。そうすると刹那が指をやわやわと締め上げるものだから、その反応に気を良くしたニールは執拗に捏ねくりまわす。
「う、にゃぁ…ぁっああ」
「刹那はどっちも好きなんだなー…いけない子だな」
「にゃっ!」
ぐにっと包皮ごと擦りあげれば刹那の膣がきゅんと収縮した。軽く達したらしい。余韻でひくひくと指を締め上げるソコは溢れ出る愛液で濡れそぼっている。にゅるにゅると滑りが良くなって刹那の腹部を隈なく愛撫出来るようになった指は、快感に我を忘れて呆然としている刹那を容赦なく責めたてる。
「ひ、 やら らめ…っ!」
足を閉じようとする刹那に対して素早く膝裏に手を回しこんでそれを阻止するニール。指で刹那のナカの上の方を小刻みにマッサージするように責めれば、刹那の体が大きく撓った。ぎゅうっと手を握り締めて必死に何かを堪えている。
「刹那ぁ、どうした?」
「にー、っひゃめれ…そこ嫌ぁ…」
小刻みに押し上げられるのが嫌なようで頭を横に何度も振る。体の中を襲う大きな波は、刹那の足の爪先までピンッと張り詰めさせてしまう。
「何で嫌なんだ?」
「だって、溢れそ、なんだ…っあ、ああ」
「我慢しないで溢れさせちゃえよ」
「ひっにゃぁああっ!」
そう言うなりニールの指の動きが加速した。殊更強く、激しく押し上げられた途端、刹那の陰部から液体が勢い良く溢れ出した。一旦溢れたら止まらないその生理現象に、刹那は顔を赤らめてうわ言のようにやだやだと繰り返す。勢いが収まってちょろちょろと流れ行くそれを見たニールが刹那のふわふわした耳の近くで小さく呟く。
「お漏らしするほど気持ち良かったのか?」
「っ!…いじわる、ニールの馬鹿…っ」
刹那からそんな事を言われたのは初めてで、その新鮮さがニールの加虐心に火をつけたのか。ふっと意地悪そうな笑みを浮かべて、入れたままの指を動かし始めた。
「はひ、っ!」
「そんな事言う奴にはお仕置きしなきゃな」
さっきと同じ所を指で押し上げながら空いている方の手で陰核の皮を捲りあげて丸見えになった核を指の平で撫で回す。腰をひくひくっと痙攣させて甲高い声をあげたかと思ったら刹那の陰部から再び液体が噴き出した。数回に分けて飛び出すそれにさきほどとは違う感覚を覚えた刹那は腹部を震わせた。
「にゃ、あん…」
「気持ち良かったろ?」
頭が真っ白になる感じが堪らなく快感に感じた刹那は、素直に首を縦に振った。そんな刹那にもっと色んな事を教えてあげよう、とニールは口付けた。