空に閃光が走った、次の瞬間には轟音と共に家電製品が気の抜けるような音を出して動きを停止させた。

「停電か…近くに落ちたな」

真っ暗な闇の中、ロックオンはブレーカーのスイッチを確認しに行く。住み慣れた家と言えども視界が遮られていては歩くのさえ難儀だ。

「…ッ クオン…!」

「刹那?」

そうか、刹那は風呂に入ってたんだとロックオンは思い出し、落雷で停電したなら復興に暫く時間がかかるだろうと、ブレーカーは後回しにしてバスルームに足を向けた。

「明かりだけど暫く点きそうもな…」

「ロックオン!」

「ぅおっ!」

バスルームのドアを開けた途端、刹那にしがみ付かれロックオンはバランスを崩す。そのまま雪崩れ込むように二人が浴室に倒れ込んだ。と、時を同じくして轟くような雷鳴。

「ひっ!!」

「刹那……雷嫌いなのか?」

反応を見れば一目瞭然、自分に抱き付いて恐怖を消そうと必死になっている。胸板に顔を擦り付けて、背中に回された手が服を握り締めるのが感じられた。

「怖い…っ!」

脅えた声でそう告げると、目一杯力を込めてしがみつく刹那。多少の息苦しさを感じたものの、頼られている事に悪い気はしない。そっと刹那の肩に手を添えて額にキスを落とす。

「大丈夫、俺が居るから怖くないだろ?」

「、ロック んむ」

小さな唇を包み込むような動きから舌を絡ませる動きに変わった深いキスは簡単に刹那の息を上がらせた。自失状態の刹那の体を撫で回すロックオンは耳を陵辱するように耳殻から耳孔を舐め始める。

「う、っあ」

ぴちゃり、くちゅ、と淫らな音が鼓膜に直に響いて刹那を震わせる。時折ロックオンの吐息が首筋に当ってもどかしい。

「今日の刹那の此処、熱いな」

ロックオンの指先が触れると、刹那の陰部から愛液が溢れる。相当敏感になっていて、指を入れれば膣壁が飲み込むように波打つ動きを始めた。

「ひあっ…ん、ロックオン…」

「!」

回された腕に頬に感じた唇の感触。未だに視界は晴れないが、刹那自らが進んでキスをした事にロックオンは嬉しくなる。

「可愛い奴」

自分の顔が酷く紅潮しているのを感じていた刹那は、明かりが点いてなくて良かった、と安堵していた。その火照った頬にロックオンの唇が触れて、顔中にキスをされた。合間合間に洩れる刹那の声からは最早、色香しか感じられない。

「は、ふぅっ」

触れる度に小さく震える刹那を肌で感じたロックオンは徐に腰に手を当ててぐるん、と刹那をうつ伏せにして腰を引き上げる。所謂後背位でロックオンからは刹那の大事な部分が窓から挿し込む僅かな光で丸見えだった。

「え、何……っ」

「たまにはこういう格好も良いかなと思ってさ」

臀部から太股にかけての滑らかなラインを撫でた後、何時の間にやら興奮して勃ち上がった自分のものを刹那に挿入する。

「きゃふっ……!」

じりじりと進行してくるロックオンの熱に刹那は身を震わせた。体がびりびりと雷に打たれたように痺れて、ロックオンを受け入れている膣もじゅくじゅくに溶けているように感じた。

「や、だめぇっ…あっああ…」

「っ狭い……刹那締め過ぎ…」

背中をしならせて身を捩る刹那が息を整える頃、ロックオンの陰茎が刹那の中に収まった。体を少し揺らしただけで刹那は悲鳴を上げる。

「駄目っ…動か、ないでっ!」

「無茶言う、なよ…っ痛い訳じゃなんだから…」

腰を動かせばじゅぶ、と卑らしい音が浴室に響いて刹那の耳にも届いた。立て続けに突き上げれば床に顔を押し付けて刹那が再び悲鳴を上げた。

「や、ヘンな所、当って るぅうっ!」

「当ててんだよ…っ!ホラ」

「うひゃあっ!」

正常位と違う所に当たり、未知の快感を感じている刹那は無意識に腰を揺らし始めた。ロックオンの動きに合わせて揺らめく体は酷く悦んでいるいるように見えた。ぱっくりとロックオンの陰茎を咥え込んでいる陰部の肉を左右に広げてロックオンは更に奥へと挿入する。

「っ!?」

「みっちり奥まで入ってるの、解るか?」

刹那は腹部の圧迫感に少し息苦しさを感じていたが、次に襲ってきた悦にロックオンを反射的に締め付ける。

「いやあっ!駄目っそこ…っ!」

「今日は駄目駄目ばっかりだな。こんなになってるのに…嘘はいけないぜ」


腰を押さえていた両手が刹那の腹部付近で動く。包皮を無理矢理剥き上げて、小さな陰核を色んな角度から指先で擦る。強すぎる摩擦に刹那の赤い瞳から涙が伝う。構わず爪先で引っ掻くと膣が不規則に収縮する。ロックオンからは見ることが出来ないが、恐らく刹那の陰核は彼の愛撫の所為で真っ赤に充血して勃起しているだろう。

「いやっ…いやっ、ロックオン、止めてぇっ」

「また嘘か?刹那はここ大好きだったろ?こんなに締め上げて」

撫でる度にきゅうきゅうと締め付けを増して、あまりの強さにロックオンは思わず吐精しそうになる。敏感すぎる体も考え物だが、愛する刹那がそうであるならばロックオンは不問だ。狂うほどに自分を与えて自分だけを求めるようにすれば良い。

「本当にっああっ止め…っろっくおんっ」

「は、強情だなぁ…」

止めてと懇願するも空しく、ロックオンは容赦無く刹那の陰核を責めた。痙攣したみたいに動くそこを捻り上げた。

「あああ――っ!!」

「っっ!!」

尋常ではない収縮に射精しそうになるも腹筋に力を込めて耐えたロックオンは刹那の顔を覗き込んだ。涙で潤んだ瞳、口端から伝う涎、情を感じさせる吐息。刹那はロックオンを煽った。

「刹那、もう一回な」

「っ!もう無、理……ひゃあっ!?」

腰を少しだけ揺さぶると同時に相変わらず陰核を弄るロックオン。刹那は刹那で弄られ過ぎてヒリヒリと痛み出す陰核の痛みでさえも快感として感じてしまう。意図的に一ヶ所に亀頭を押し付けられたのを理解した時、刹那は絶望にかられた。

「あ!ろっくおんっひゃっ止めてっ!駄目ぇえ」

「今更、だ。聞けないぜ」

「違っ、う…なんか、出ちゃっ、ひやっう」

刹那が感じたのは尿意で、こんな時、交わってる時に催すなんて自分を酷く責めた。恥ずかしい、穴があったら入ってしまいたい。恥を晒す前にどうにかしなければとロックオンに伝えたが、当の本人はあっけらかんとした声で言うのだ。

「気にすんな。出しちゃえよ」

さぁ、と血の気が引いた。恋人の目の前で失禁しろとでも言うのか。そう考えを巡らせてる間にもロックオンの責めは激しくなるばかりで、殊更強くされた所為で刹那は、容易く限界を超えた。

「ひゃぅぅあああっ!!」

「刹、那っ…」

膣内に感じるロックオンの精液よりも、呆気なく二度目の絶頂を迎えたことよりも、刹那にとって耐え難い事が現実のものとなった。ぴちゃぴちゃと反響する水の音。一気に脱力して膝立ちでいるのも辛い状況で刹那は止められなかった水音に我を失う。

「やだやだやだやだっ…っ見ないでっ…」

「大丈夫、刹那」

「いやぁっ」

頬に触れようとするロックオンの手を弱々しく叩いて、羞恥から泣き出す。泣きじゃくる刹那を胸に抱き込んだロックオンは目元に舌を這わせて涙を舐め取った。

「大丈夫だから、刹那」

「大 丈夫じゃ、ないっ」

「本当大丈夫、お漏らしじゃないから、な。潮吹いただけ」

きょとんとする刹那。酷く安堵した刹那を見てロックオンは悪戯が過ぎたかな、と思った。