一日目





まさかまさかみんながみんな同じ大学に進学することになるなんて、と六人ともそう思った。キセキの世代が選んだ、もしくは合格した大学はなんと見事に六人全員おんなじ大学だったのだ。世の中ほんとうにうまくできている。

そしてどうせ六人一緒なのだから、と、赤司は財力にものを言わせ、はりきってシェアハウスを購入するし、黄瀬ははりきって共用スペースのインテリアを購入するし、緑間ははりきってその他入り用のものを買い揃えた。誰が言い出したのかわからないが、とにかく六人は六人でハウスシェアを始める運びとなったのか。きっかけは些細なことだったかもしれない。誰かが「一緒の大学ならもういっそ一緒に住んじゃえば色々楽なんじゃない」だとか言ったかもしれないが、そんな夢物語を実現させてしまう方向に現実は運ばれていった。ほわほわとした夢物語の骨組みに、赤司の投資でもってどんどんと現実的な肉付けがされていったのだ。さすがは赤司だ。

先行的な資金は基本的に赤司が出していたが、あとからそれ相応に徴収がされた。といっても独り暮らしのスタート準備をするよりずっと割安だったので、青峰も紫原も黒子も文句は言わなかった。むしろ面倒な手間が省けてよかったくらいだ。それぞれが実家から必要なものを運び込み、それぞれの部屋へ収納すれば準備完了。素晴らしき大学生活の幕開けである。

赤司の購入したシェアハウスは二階建てで、吹き抜けの二階には個人用の部屋が丁度六つあり、一階には広々とした共用リビングとダイニングキッチン、独り暮らし用よりはずっと広いバスルームに脱衣場まであった。いち学生である彼にどうしてこんな財力が。帝光七不思議の一つに数えられてもおかしくはない。家具家電もそれなりのものがそなえられており、共用リビングは黄瀬によって落ち着きつつもスタイリッシュな空間となっていた。六人が座れるように大きめのソファが二つ置かれており、テレビも大きく、DVDプレイヤーまである。しがない学生の独り暮らしより随分リッチだ。キッチンはカウンターになっていて、その向こうには六人がけのテーブルがあった。家事をしながらでも話ができる。トイレは一階に二つ、二階に一つもうけられているので朝のラッシュ時にも安心だ。バスルームも六人用シェアハウスだけあってシャワーは三つあり、浴槽も三人が足を伸ばして入れるだけのスペースが確保されていた。ちょっとした銭湯に近い。何から何までキセキのキセキによるキセキのための部屋が、このシェアハウスだった。これからここで共同生活がはじまる。どんな生活になるのやら、六人にも皆目見当がつかなかった。


END


ご都合主義でやっていきますのでよろしくお願いします。

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